マーク・リパート駐韓米国大使襲撃事件は、米国を外交的に代表する要人に対する攻撃という点で韓米関係にどんな影響を及ぼすかが注目される。
韓米は今回の事件が韓米関係を大きく傷つけないよう気を遣っている雰囲気だ。海外歴訪中の朴槿恵(パク・クネ)大統領は直接乗り出し、当事者であるリッパート大使とバラク・オバマ大統領、米政府に慰労の意を伝え、韓国政府は国家安全保障会議(NSC)常任委会議と緊急関係部署次官会議などを相次いで開催し対策を出した。 政府はまた、駐米韓国大使館を通じて米国務部の人々に直接遺憾を表明し協力を約束した。外交部報道官声明も「特に韓国の最も重要な同盟国である米国の大使に対して強行されたという点を深刻に受け止めている」として、韓米関係に及ぼす影響を憂慮した。 韓米同盟の安定的管理などを最重点として念頭に置いた動きと解説される。
米国務部は短い声明
「我々は暴力行為を強力に糾弾する」
韓国も関係き損のないように全神経
「韓国の最も重要な同盟国」声明
米国政府も今回の事件が韓米関係に与える否定的影響を最小化するために注力しているものと見られる。最近のウェンディ・シャーマン国務部政務次官の発言で韓国内の世論が悪化した状況で、この事件により米国内で韓国に対する否定的認識が広がる場合、韓米同盟に負担を与えかねないためだ。実際、米国務部は4日夜(現地時間)、短い声明で「我々は暴力行為を強力に糾弾する」とだけ明らかにした。 事件の全貌が明らかになっていない現在としては、個人の暴力行為と見る雰囲気である。
ただし、リッパート大使がバラク・オバマ米大統領の最側近という点が今後の韓米関係に微妙な影響を与える可能性は排除できそうにない。リッパート大使はオバマ大統領の上院議員時期の補佐官であり、2007年イラク戦参戦のために休職して自身が空けた席に現在ホワイトハウスの秘書室長であるデニス・マクドナーを推薦した。ホワイトハウスの主要政策を論議するいわゆる“オバマ ファミリー”に属する人物である。また最近の韓中日間の過去問題による軋轢と関連したウェンディ・シャーマン国務部政務次官の発言を巡って、韓米間の微妙な気流が流れた直後という点からも影響を及ぼす可能性を排除できない。
現在としては米国内世論の行方が重要だ。CNNをはじめ主な放送は4日夜からリッパート大使が血を流す場面を繰り返し放映している。この間、安全な都市と思われていたソウルでこのような事件が発生したことに対して、驚きを表し大使の警護問題に焦点を合わせる雰囲気だ。しかし、リッパート大使を襲撃したキム・キジョン氏が韓米連合訓練反対を主張したという点に対しても関心を持っている。クリストファー・ヒル元駐韓米国大使はCNNとのインタビューで「韓国で連合軍事訓練が論争になっているのか」というアンカーの質問に「論争はあるものの、ほとんどの韓国人は韓国の安保のために必要と感じている」として「この問題に関してこのような暴力行為が起きたことは非常に異例」と話した。米ウォールストリート・ジャーナル紙は「反米感情は韓国内で時々起きるが制限的」と紹介した。