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地域別比例代表制の導入で韓国政界は三党体制に

登録:2015-02-26 09:35 修正:2015-02-26 13:28
セヌリ党13席↓新政治10↓進歩政党21席↑

 選挙管理委員会提案の「地域別比例代表制」
 2012年総選挙に置き換えると地域主義構図が緩和
 革新政党は与野交渉でキャスティングボート

中央選挙管理委員会の地域別比例代表提案。 2012年の総選挙結果に置き換えた場合 政党別議席数の変化。 //ハンギョレ新聞社

 中央選挙管理委員会が24日国会に提案した地域別比例代表制を2012年に実施された総選挙の結果に置き換えると、セヌリ党と新政治民主連合はそれぞれ13議席と10議席を減らす一方、小数政党は26議席も増えることが明らかになった。制度が導入されれば力のある第三党の出現により、現在の二党構図の亀裂が加速するものと見られる。地域別ではセヌリ党が湖南(全羅道地域)・済州地域で4議席、新政治連合は嶺南(慶尚道地域)で19議席を確保することになり、地域主義的構図も相当部分緩和されると期待される。

 25日、ハンギョレの依頼で国会立法調査処(キム・ジョンガプ立法調査官)が2012年の19代総選挙に地域別比例代表制を仮想適用した結果 当時152議席を得たセヌリ党の議席数は139に、127議席だった新政治民主連合(当時の民主統合党)の議席数は117に減った。一方で13議席に留まった統合進歩党(2014年解散)は34に、5議席に終わった自由先進党(セヌリ党に吸収)は10議席を得て、単純多数得票制に基づく小選挙区制で不利益を受けた小数政党の躍進が目立った。

 革新政党が交渉団体になるのも可能
 与野党交渉でキャスティングボート
 嶺湖南の地域主義的構図を緩和
 新政治は嶺南で19議席
 セヌリは湖南・済州で4議席

嶺湖南の政党別議席数。 //ハンギョレ新聞社

 選管委が提案した地域別比例代表制は全国を1)ソウル、2)仁川・京畿道・江原道、3)大田・世宗・忠清南道・忠清北道、4)大邱・慶尚北道、5)釜山・蔚山・慶尚南道、6)光州・全羅道道・全羅北道・済州の6つの地域に分け、地域別得票率により各政党に議席を配分する制度で、政界と学界の一部で理想的選挙制度に選ばれたドイツの政党名簿制に近い。

今回のシミュレーションは全議席300を人口比率により各地域に割り当てた後、19代総選挙当時の地域別政党得票率により各党に議席を配分する方法で行われた。

 この方法が導入された場合、政党政治全般に及ぼす影響も少なくないものと見られる。20代総選挙で新しい進歩政党や第三党が19代総選挙当時の統合進歩党の政党得票率(10.5%)を得れば、国会の院内交渉団体(20人以上議員基準)となり国会の交渉でキャスティングボートを行使することができるためだ。葛藤が目立つ政治文化の原因として名指しされてきた両党制が退潮し、実質的な三党構図が用意されることになる。

 嶺湖南の地域主義的な構図を緩和することにも寄与するものと思われる。19代総選挙当時に嶺南で地方区3議席しか得れなかった新政治民主連合に選管委方式を適用すると、政党得票率が14.4%だった大邱・慶尚北道地域で5議席、政党得票率27.6%を記録した釜山・蔚山・慶尚道道地域で14議席確保できる。湖南・済州で1議席も得れなかったセヌリ党は、同地域で得た政党得票率(10.0%)により4議席の割当てを受けることになる。

 キム・ジョンガプ立法調査官は「選管委が提案した地域別比例代表制は各政党の議席占有が政党得票に正確に比例して、地方区議席も人口比率により配分されるので、地域間不均衡が発生する可能性が低く理想的な制度」と評価した。問題は政界の受け入れの可能性だ。この制度は小選挙区制下で形成された二大政党の既得権を脅かすという点で既成政界の反発を招く可能性が高いというのが政治専門家たちの大半の意見だ。

イ・セヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015.02.25 21:41

https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/679752.html?_fr=mt1 訳Y.B

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