首都圏・忠清道選挙区は増加…与野党は「有利か不利か判定困難」
「汝矣島（ヨイド）に爆弾が落ちた」
国会議員選挙区別人口偏差を現行の“3対1”から”2対1”への調整を命じる憲法裁判所の決定を、新政治民主連合のある初当選議員は“爆弾”に喩えた。 憲法裁判所の基準どおりに選挙区が区割りされれば、地方区が分割・合併され、これまで精魂込めて育てた票田が消える国会議員が少なくないためだ。 イ議員は「史上最大、最悪のゲリマンダリング(恣意的選挙区画定)がなされかねない」という憂慮も付け加えた。 選挙区別人口偏差は、人口が密集した都市と人口がまばらな農村の特性を勘案して作った比率だ。 今までは1個の選挙区を作れる最小人口が10万3469人、最大人口は31万406人であったが、これを最小13万8984人、最大27万7966人に再調整しろというのが憲法裁判所決定の骨子だ。
与野党は口をそろえて「憲法裁判所の決定を尊重する」という公式論評を出したが、内心は複雑だ。 伝統的に与野党が強い地域だが人口は少ない嶺・湖南の議席数が減ることが明らかなためだ。 中央選挙管理委員会がこの日出した広域市道別「人口基準不・符合選挙区現況」を見ると、下限人口13万8984人に達しない選挙区はセヌリ党の強い地域である慶尚北道が6か所で最も多い。 新政治民主連合の票田である湖南も、全羅北道4か所、全羅南道3か所の選挙区が下限に達しなかった。
反面、首都圏は人口上限(27万7966人)を超過する所が多く、選挙区が増える公算が大きい。 特に京畿道地域は上限人口を超過した選挙区が何と16か所もあり、下限人口に至らない所は一か所もなかった。 仁川（インチョン）でも上限を超過した選挙区が5か所で、下限に達しない選挙区はなかった。 ソウルは上限超過選挙区が3か所(恩平乙、江南甲、江西甲)、下限未達選挙区が2か所(城東乙、中区)で差は大きくなかった。
個別選挙区が人口基準に符合しなくとも選挙区が直ちに統廃合されたり新設されるわけではない。 一つの市・郡・区内で境界調整を通じて人口基準を満たすことができ、具体的な選挙区画定方式も多様になるためだ。 一例として、人口下限に達しないソウル中区の場合、隣接した東大門区や鍾路区から一部地域を分離統合して選挙区を存続させることもできる。 行政区域は水原市勧善区だが、選挙区が八達区にまとめられている水原市塔洞がそのような例だ。
しかし、嶺湖南の選挙区減少と首都圏・忠清道の議席数増加は避けられないものと見られる。 キム・ヒョンジュン明知大学教授は「慶尚北道と全羅南北道は人口下限に達しない所が多く、選挙区を減らさざるをえない」として「慶尚北道が与党、湖南が野党の票田地域であることを勘案すれば、特に有利不利を問い詰めることは難しい」と話した。 キム教授は「議席数が増える可能性が高い首都圏と忠清圏も歴代選挙の度に与野党が競合した地域なので、特にどの政党が有利になるとは見難い」と話した。 イ・チョルヒ イムン政治戦略研究所長も「選挙区の具体的状況は境界をどのように調整するかにかかっているだけに、今の状況で有利不利を語るのは意味が無い」と話した。
利害当事者である国会議員の動きは慌ただしくなった。自身の地方区が人口下限未達地域に含まれた湖南圏のある4選議員は、記者にEメールを送って「都市農村間政治力の格差が広がる残念な状況が予想されるので、今後の立法過程で補完が必要だ」と主張した。 また別の初当選議員は「人口が少ない農村地域は大きな影響を受けざるをえない。今でも2～4個の郡が一つの選挙区に括られているのに、今後は5～6個の郡が単一選挙区として編成される地域が出てくることになる。 農村議員の反発が深刻にならざるをえない」と見通した。
パク・テチュル セヌリ党スポークスマンはこの日論評して「憲法裁判所の決定を尊重するが、選挙区再画定による急激な変化で政界と国民に混乱を与えることを心配する」として「大都市の人口密集現象が深刻化されている現実で、地域代表性の意味が縮小される部分に対して皆が共に考えなければならない」と明らかにした。 キム・ソンス新政治民主連合スポークスマンも「憲法裁判所の決定を尊重する。 ただし人口比例にともなう票の等価性だけでなく、農漁村の地域代表性が十分に考慮されなかった点は物足りなく思う」と論評した。
訳J.S(2182字)
