議員1人当り人口数、英国の4倍
多様な階層に合わせて議員数を増やす必要
問題は議員数増大に対する反感
「歳費総額を固定して定数を増やす」が代案
比例代表、公認の透明性確保も課題
政治専門家たちが「国会議員の定数を増やさなければならない」と指摘しているのは、韓国政治の慢性病と言われてきた地域主義を緩和し、二大政党制を乗り越え多様な政治的意見を反映できる選挙制度の改革が必要という理由からだ。 『ハンギョレ』がアンケート調査した政治専門家20人のうち「議員定数を増やさなければならない」と答えたのは18人だった。 チェ・ジンウォン慶煕大学フマニタス・カレッジ教授(比較政治)は「現実的に議員定数の拡大なしには、選挙制度改革の主体であり対象である議員に選挙制度を変えようと説得することは困難であり、現在でも意見がまともに反映されていない農民、非正規職労働者、青年など、より多様な階層の政治意志を代表するためにも議員定数の拡大が必要だ」と明らかにした。
現在、韓国の議員数は世界主要国と比べてみても少ない。 『ハンギョレ』が16日、米中央情報局(CIA)のワールド ファクトブックの内容を総合してみると、上・下院を含む議員1人当り人口(今年7月基準)は世界の主要20か国(G20)のうち、いわゆる先進国に挙げられる9か国中で7位であり、比較的下位圏に属していることがわかった。 しかし、国民の多数は議員定数の拡大に反対している。 『中央日報』が全国の成人男女1000人を対象に今月7~8日に調査し10日に発表した世論調査の内容を見ると、憲法裁判所の決定に基づき選挙区を調整する際に議員定数を拡大しなければならないと答えた回答者は12.3%にとどまった反面、現行議員定数内で行わなければならないという回答者は74%に達した。
このため、議員歳費の総額を固定して、議員定数だけを拡大しようという提案も出ている。 チェ・テウク翰林国際大学院教授は「歳費総額を現行の300人基準で凍結し、議員数だけを増やす方式で国民の同意を得るべきだ」と話した。
しかし、比例代表を増やそうという提案が説得力を持つためには、現在各党の派閥的利益が衝突する中央党の公認審査委員会で順位を決めて選出されている比例代表は、自分を選んでくれた派閥の利益のために動く現在の方式も大々的な改革が必要だと思われる。 チョン・ヨンジョン培材大学教授(公共行政学)は「特定権力者の影響が強く作用する韓国の現行公認制度の下で、比例代表枠の拡大はむしろ権力者の影響を強化する方向に進む恐れがあるのも事実」とし、「比例代表公認の透明性を生かすために、公認過程を公開し、国民が直接比例代表候補の中から投票相手を選択する開放型名簿比例代表制も検討する価値がある」と話した。