双龍自動車の労使が21日、2009年の整理解雇事態を解決するための電撃的交渉に入ったのは双龍自動車の大株主であるインドのマヒンドラ グループのアナンド・マヒンドラ会長の訪韓が決定的役割をしたという。
マヒンドラ会長は双龍自動車が4年ぶりに出した新車「チボリ」の発売イベントを控えた12日に韓国に入国した後、14日に京畿道平沢(ピョンテク)の双龍自動車工場を訪問した席でキム・トゥクジュン双龍車支部長を予告なしに呼び、対話に乗り出し整理解雇問題に対する関心を示した。マヒンドラ会長は「今は各自の道を歩いているが、私たちは一つの共同体だ。 解雇者問題を含め2009年の痛みをよく知っていてるし、私も持続的に努力する」とキム支部長に話した。 キム支部長も出会いの後「整理解雇事態解決のための対話の最初の出会いとして理解する」と話した。 このような一連の雰囲気がこの日の出会いを作ったというのが労働界の見解だ。
会長訪韓のちょうど1週間後のこの日、出会いが実現し1時間の対話で4大議題について順調に合意したのは、それまでに実務ラインによる水面下での交渉が相当部分進んでいたことを示唆する。 そのため残りの実務交渉も大きな壁に直面しないものと予想される。
ただし、いくつかの核心争点については、労使が接点を探すことが容易でない展望だ。大法院(最高裁)判決まで進んだ整理解雇者152人と、ストライキに前後して会社が懲戒解雇した労働者、そして社内下請労働者として仕事をして解雇された人々を含む187人全員を復職させるか否かだ。 双龍自動車支部側は全員復職でなければ受け入れられないという態度だ。 反面、会社側は公平性問題を挙げて、工場占拠ストライキ後に出て行った名誉退職者353人に優先権があると主張するものと見られる。
労組支部長を予告なしに呼び対話
イ・ユイル社長と電撃の出会い
1時間の対話で4大議題で合意
復職の規模・時期は陣痛の可能性
チボリがよく売れて妥結展望“晴れ”
会社側は復職規模よりは復職時期を段階的に分けることにより大きな関心を持っているとしたため、この部分でも両者の交渉が陣痛を味わう可能性が高い。
2009年の整理解雇の後に亡くなった労働者及び家族26人に対する経済的支援の規模とこれらの人々に対する会社の謝罪または、遺憾表明がどの程度の水準になるかも関心事だ。 労組側は合意議題に犠牲者“26人”を明示した以上、会社側がそれなりの誠意ある意志を表明するものと期待している。
会社の経営状況も妥結の展望を明るくしている。 新車チボリの事前予約台数が5000台を超えるなど、期待以上の成果を上げているため会社としては工場を早く正常化し稼動率を高めなければならない理由ができた。
このような障害物を乗り越えて妥結がなされれば、労組と会社は大和合を宣言して会社正常化のための措置に乗り出すことになる。 煙突座り込みを終わらせるのはもちろん、労使が共に協力する雰囲気を前面に出して“第2の跳躍”を宣言するものと見られる。 社会関係網サービス(SNS)で流行している言葉どおり、煙突座り込み中の双龍自動車支部キム・ジョンウク事務局長とイ・チャングン政策室長がチボリを直接作り、双龍車問題の解決を要求してきた歌手イ・ヒョリさんが出演した広告を見ることになるかもしれない。
労使協議が円満に終えられれば1998年に整理解雇法制が導入された後、労使合意を通じて整理解雇者などが大規模に復職する最初の事例になるという点では、韓国の労使関係に大きな一線を画す事件として記録されるものと見られる。