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大韓航空 危機管理“敗着の連続”

登録:2014-12-15 16:01 修正:2014-12-15 19:12
財閥権威主義が意志決定を自縄自縛
初報道の後、夜遅くまで無対応 客観視に失敗

“大韓航空内部にも当初からきちんと
謝らなければいけないと考えた人はいたが
そのような意見は受け入れられない構造”

“ナッツ リターン“波紋を起こしたチョ・ヒョナ前大韓航空副社長が12日、ソウル市江西区(カンソグ)傍花洞(パンファドン)の国土交通部航空鉄道事故調査委員会航空安全監督官室に出向いている。 イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社

 チョ・ヒョナ前大韓航空副社長の“ナッツ リターン”事態が8日の『ハンギョレ』報道で初めて世間に知られてから1週間が過ぎた。この1週間に大韓航空がこの事件に関連して見せた姿は、企業の危機管理の側面から見た時、最初から最後まで敗着だったという評価を受けている。

 企業危機管理の基本原則で第一に挙げられるのは速度、すなわち俊敏な対応だ。 問題が生じた後、企業の公式的な対応が遅れれば遅れるほど否定的な世論が拡散し、種々の憶測が乱舞しやすい。 今回の事態が最初に報道されたのは8日の朝刊新聞を通じてだった。最初の報道から事態の輪郭がほとんど明らかになり、すでにこの日の午前中にはほとんどすべてのメディアがこのニュースを扱い、高い大衆的関心を集めた。 だが、大韓航空が初めてこの事件に対して公式に立場を表明したのは、すでに世論が悪化の一途をたどった後の夜10時頃であり、それも一方的な報道資料配布という形式を取った。

 遅れた対応以上に決定的な敗着は“誤りを部下の職員に押し付けた”説明の内容だった。 当時、大韓航空はチョ前副社長の行動が“行き過ぎた行動だった”としつつも“機内サービスと機内食に責任を負っている役員として、問題提起と指摘は当然のこと”と明らかにした。

 コンサルティング企業 THE LAB h のキム・ホ代表は「危機管理コンサルティングで“アウトサイダー”であることをを強調する。 危機が発生すれば最も重要なものが外部の視角であり、世論が視点で韓国企業を眺めることだ。 世論の視点で見れば、事務長や乗務員がそれほどの誤りをしたようには見えなかった。 大衆は事務長と乗務員の側に共感していた」と話した。

 客観的に事件を眺めることに失敗した大韓航空は、チョ前副社長を保護する方向をとった。 この方向で大韓航空が作成した解明資料には“事務長が規定と手続きを無視した”とか“マニュアルさえまともに使用できなかった”など、後に虚偽論議の種になる内容が入った。 結局、世論は大韓航空の最初の説明を謝罪としては受け入れず、逆風は手のほどこしようもなく強まった。

 その上、“謝罪”といえるものが出てきたのは9日の午後からだった。 しかし、企業における危機管理で常に強調される“初めからはっきり謝りなさい”とはかけ離れた姿だった。 チョ前副社長は9日午後、機内サービスとホテル事業部門を総括する職務から辞退すると明らかにした。 翌日には副社長職に関する辞表を提出し、二日後にはさらに大韓航空だけでなくグループ内のすべての席から退くと言った。 キム・ホ代表は「初めから全て退くのではなく世論の顔色を見ながらちびりちびりと出す形で謝罪した。 結局、失うものは全部失い、何も得られない謝罪であった」と指摘した。

 大韓航空の危機管理が敗着を繰り返した理由として、広報専門家たちは財閥の権威主義的意志決定構造を指摘する。 大韓航空広報室が作成した解明資料の草案は、8日に発表されたものとは内容がかなり異なっていたが、上層部の議論過程で大幅に修正された。 匿名を要請した大韓航空高位役員は「オーナーにまっとうすぎる話はできない雰囲気」と話した。 別の財閥グループの広報担当実務者は「大韓航空内部にも当初からチョ前副社長がきちんと謝らなければならないと考えた人は確実にいたと思う。だが、財閥企業では意志決定の過程でそのような意見は受け入れられない構造がありうる。 私たちのグループでもオーナー(総帥一家)に関連した事件に対して、広報チームがオーナーの責任を要求する意見を出したことがあるが黙殺された」と話した。

 キム・ホ代表は「勇敢な役員が会社のために直言しても、会社内の競争者やオーナーによく見られようとする人が「気でも狂ったのか? 副社長がどうして謝らなければならないのか?」と言って逆攻勢に出ることがある。 その結果、完全に誤った方向での意志決定がなされうる」と話した。

ユ・シンジェ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/669034.html 韓国語原文入力:2014/12/14 21:38
訳J.S(1992字)

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