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大韓航空オーナー家の度を越した帝王的経営

登録:2014-12-10 07:39 修正:2014-12-10 16:43
“ナッツリターン”チョ・ヒョナが職を辞退
外信の反応、労組、検察告発が負担

チョ・ヤンホ会長帰国直後の退陣決定
副社長職は維持…まともな措置か疑問

「オーナーらが社員を罵倒」「軍隊より酷い」
前近代的な社内事情の内部告発相次ぐ
チョ・ヒョナ大韓航空副社長。//ハンギョレ新聞社

ニューヨーク発の航空機を「ランプリターン」させ物議をかもしたチョ・ヒョナ大韓航空副社長が9日、機内サービス本部長などの職務から退いた。形は辞退だが、8日夜に謝罪文を出した後に非難世論が逆に高まり、この日帰国したチョ・ヤンホ会長が空港で役員会議を開いて決断したものと見られる。しかしチョ副社長の登記理事副社長職はそのまま維持されることになり、過ちに見合った責任をとらせたのか問題にされそうだ。

 大韓航空は8日深夜に出した報道資料で搭乗客に遅延運航に対して謝罪したが、チョ副社長は担当役員としての権限を行使したのであり、乗務員と事務長のサービスに問題があったという立場を示した。この日午前に大韓航空が社員に電子メールを送り、外部から問い合わせがある場合は「担当乗務員がサービスを誤り、事務長は基本サービスの手続きを正しく知らず、機内の安全およびサービスの責任を負う責任者として資質が不足していると判断し、機長と協議して下機(飛行機から降りる)決定をした」と応対するように指示したことと同じ脈略にあった。

 これに対して大韓航空操縦士労働組合は9日直ちに声明を出し、会社側の対応を真正面から批判した。声明は「チョ副社長の好ましからぬ行為に対し社側はまともな責任を負う態度を示していない」として「会社はチョ副社長の重大な過失を覆おうと乗務員に責任を転嫁している」と指摘した。さらに「会社は今回の事件に関連した機長と客室乗務員に責任を問うより、社員のことを少しでも考えるなら経営陣の過失をきちんと認めて謝らなければならない」として「大韓航空はオーナー家の何人かが思いのままにできる会社ではないが、経営陣はそう考えているのが明らかになった」と嘆いた。 労組は会社の動きに反発して、本格的な行動に出る構えを見せていた。

チョ・ヤンホ韓進グループ会長がフランスのパリを出発して9日午後仁川空港に入国している。仁川空港/イ・ジョングン記者//ハンギョレ新聞社

 国際線を運営する航空会社として外信の反応も大きな負担になったものと見られる。参与連帯がチョ副社長を告発することにより事件は検察捜査の対象になり、事件の実体が一つひとつ明らかにされる可能性が高まっているのも決定に影響を与えたようだ。悪くなる一方の世論のなかで、とりあえず職務から退かせ国土交通部の調査と検察捜査の結果を見守るものと思われる。

 事件の解決までにはまだ道は遠い。なによりオーナー家の帝王的な態度が問題の根にあるという批判に対し、チョ会長一家は実践により答えなければならない立場にある。大韓航空のある社員は「チョ会長一家が飛行機に搭乗する時は乗務員は何時間も前に到着していなければならず、ユニフォームの色まで指示に合わせる」と話した。オーナー家から酷い言葉で罵倒されたという社員は一人や二人ではないとのことだ。退職した元操縦士は「軍隊より酷い」と吐露した。チョ会長一家のこうした態度が改まらない限り、企業イメージの回復は容易ではなさそうだ。

キム・ミヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014.12.09 21:56

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/668344.html?recopick=5 訳Y.B

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