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[社説]根本的な選挙区制改編論議が必要だ

登録:2014-10-31 03:07 修正:2014-10-31 07:20

 憲法裁判所は30日、国会議員選挙区の人口格差を3対1まで許容している現行の公選法の条項は違憲として「人口格差を2対1に調整せよ」と立法基準まで示した。投票の価値の平等権という側面からは当然であり望ましい決定だ。今度は憲法裁判所が公選法の改正期間として示した来年12月31日までに公正で時代の流れに沿った国会議員選挙の枠組みを国会が作る番だ。

 米国の下院が最大と最小の選挙区の人口格差を1・22対1として、人口調査によって10年ごとに区割りをしなおすのに比べてみると、我が国(韓国)の3対1という人口格差は、地域の代表であるという点を深く考慮したとしても、あまりに大きいという指摘はずい分前からあった。これに伴って国会が何度か区割りの基準を変えたことはあるが、既存の政党の利害関係やしがらみによって根本的な選挙制度の改革までは行われなかった。実際、過度な人口格差の小選挙区制が維持されてきた背景の一つは与野を問わずに主要政党がそれぞれ嶺南(ヨンナム)と湖南(ホナム)を政治的地盤としていたことが少なくない。2008年の総選挙の前には当時のハンナラ党と民主党は嶺南と湖南の議席数はそのままにして、人口が増えた首都圏だけ2議席増やし代わりに比例代表を2議席減らす不可解な公選法改正をしたことがある。

 今や憲法裁判所の決定がなされた以上、政界は党利党略よりも憲法裁判所決定の趣旨と時代の変化を反映した公選法の改正作業を行うべきだ。選挙制度の改編は政治的な利害関係が鋭く対立する事柄であるだけに、十分な時間をかけて意見の取りまとめと討論なしには社会的な理解をえるのは難しい。ちょうど与野党ともに選挙制度改正の必要性を訴えており、次期総選挙までもおよそ一年半残っている。今が公選法の改正論議を本格化させるのに適当な時期だ。

 今回の機会に、各選挙区から一人ずつ選ぶ小選挙区制中心の現行の国会議員選挙に対する根本的な検討も必要であろう。小選挙区制はそれなりに長所も多いが地域の対立を強め、小数政党の議会進出を難しくするなどの短所も少なくない。一票の格差と共に地域の代表である点、多様な階層や集団の利害を代弁する小数政党の進出も含めた方向で選挙制度の改編を真剣に検討すべきだ。中・大選挙区の導入や比例代表制の強化なども真剣に検討することを望みたい。今回の憲法裁判所の決定をまた新たな変則的な選挙区改編に結びつけてはならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014/10/30 18:40 

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/662177.html 訳T.W(1126字)

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