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韓国最高裁、原審を破棄し双龍自動車の労働者大量解雇を認める

登録:2014-11-13 21:41 修正:2014-11-14 07:34
5年待った復職の夢敗れる
“損失額膨らませ”に免罪符
労組「労働者の胸に大釘を打ち込んだ」
13日午後、ソウル瑞草洞の大法院は、2009年の双龍自動車大量解雇事態は緊迫した経営上の必要に従ったものであり有効だという趣旨の判決を下した。判決後、双龍自動車解雇労働者たちが法廷の外で涙を流している。 シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 13日午後2時、ソウル瑞草(ソチョ)洞の大法院(最高裁)2号法廷。 冷たい風に吹かれて法廷に着いた双龍(サンヨン)自動車解雇労働者たちの凍えた耳に、裁判長の氷のような一言が注がれた。5年間の厳しい戦いが終わるかもしれないという期待でみなぎっていた解雇労働者の胸を、冷たい風が吹き抜けて行った。 同じ釜の飯を食べた同僚25人を天国に送りながらも「最後は勝つだろう」と期待した労働者たちは、呆然として容易には口を開くこともできなかった。肩を落として歩いて出て、法廷の外のロビーに集まった。一人、二人と涙を浮かべ始めた。ある者はメガネを外し目がしらを拭い、ある者は嘆いた。「こんな判決があるか?」。誰かが空に向かって叫んだ。

 2009年に大規模整理解雇にあった双龍自動車の労働者153人の解雇無効確認訴訟上告審で大法院3部(主審 パク・ポヨン大法院判事)は原告が勝訴した原審を「整理解雇は有効だ」として破棄した。

 大法院は、当時は整理解雇をするだけの緊迫した経営上の必要があったし、会社は解雇を回避するための努力を尽くしたとし、整理解雇が妥当だったと判断した。裁判所は「国際金融危機と景気不況などで継続的且つ構造的な危機があった。 解雇を断行するだけの緊迫した経営上の必要が存在した」として「事後に労使大妥協により解雇人員が縮小されたという事情だけで、会社が提示した人員縮小規模が非合理的だったり恣意的だったとはみなせない」と明らかにした。 会社は整理解雇に先立ち、部分休業、賃金凍結、循環休職などの解雇回避努力も十分に尽くしたと判断した。

 最も大きな論議になった会計報告書の損失額過多推定に対しては「未来に対する推定は不確かにならざるをえないので、多少保守的になされたと言っても合理性を認めなければならない」として「2008年下半期から深刻な流動性危機を体験し、新車発売の有無が不確かだった点などを考慮すれば、予想売上数量の推定が顕著に合理性を欠如していたとは見難い」と明らかにした。

 2008年に販売不振と世界金融危機で企業回生手続きを踏むことになった双龍自動車は、翌年4月に全従業員の37%に達する2646人の構造調整を労組に通知し、ストライキなど深刻な労使対立をたどりながら最終的に165人が整理解雇された。このうち、153人が解雇無効訴訟を起こした。

 1審は「金融危機などで回生手続きを踏むことになった会社が、経営上の困難を克服するために解雇を断行する必要性が認められる」として原告敗訴判決を下した。 以後、整理解雇の根拠になった会計報告書の操作疑惑に火が点いた。 2審は会計報告書の鑑定などを経て「整理解雇当時に緊迫した経営上の必要があったとか、会社が解雇回避努力を十分に尽くしたとは見られない」として解雇無効を判決した。

 キム・トクジュン金属労組双龍自動車支部長は、記者たちに「過去6年間の数え切れないほどの酷い経験で崖っぷちで死を覚悟して生きてきた労働者の胸に大釘を打ち込んだ判決だ」と話した。民主労総は声明を出して「(大法院判決は)企業の判断のみで大量解雇できるよう容認する無責任きわまりない判決であり、『整理解雇の理由を厳格に制限しなければならない』という社会的課題を裏切った」と語った。

 双龍自動車は会社の立場を示す資料を出し「社会的関心が高かった構造調整問題が、大法院で正当性を認められ、消耗的な社会・政治的葛藤が解消されるようになったことを歓迎する」と明らかにした。

イ・ギョンミ、チョン・チョンフィ、パク・スンホン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/664422.html 韓国語原文入力:2014/11/13 20:39
訳J.S(1835字)

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