ソウル中央地裁が、現代自動車の社内下請け労働者が起こした勤労者地位確認訴訟で彼らの正規職地位を認めた先週の判決に続き、25日には起亜自動車の社内下請け労働者468人に対しても正規職の地位を認めた。だが、現代車は24日に判決に控訴し、起亜車も事実上控訴手続きに入っている。“譲歩はない”とする現代車と起亜車の強硬な立場に、社内下請け労働者は困難な法廷闘争を再び続けなければならないのが実情だ。
現代車と起亜車の強硬な態度は賃金および団体交渉でも同じだ。韓国GMと双龍(サンヨン)自動車が昨年の最高裁判決後に賞与金を通常賃金に反映し早々と臨時団体協議を終えているのに対し、現代車と起亜車は賞与金を通常賃金に含める要求に「(現代車関連)裁判所判決を待とう」という主張だけを繰り返している。
労組が部分ストライキに出ると即座に「生産支障が憂慮される」と声高に訴える場面もはっきりと出てきた。問題が生じたら“労組のせい”にする旧態依然な姿勢と“当面の損失”を盾に譲歩や妥協ではなく断固さを前面に打ち出すのは現代車と起亜車の労務管理の特徴だ。
通常賃金問題では「裁判所の判決を尊重する」と訴えておきながら、社内下請け関連の判決を控えて「当事者の合意」を強調し、社内下請け労働者を対象にした採用によって訴え取下げを誘導する“二重”手法も問題にされている。
現代車と起亜車は2000年代に入り“品質経営”を前面に出して体質改善に尽力した。 その結果、2002年に235万台だった全世界の販売量が昨年は756万台に増えた。度量の広い博打で韓国電力の土地を競り落とした後には、「100年先を見通した決定であり、第2の跳躍の契機」とまで話す自信も見せた。だが、労使関係に向けられた視点や労務管理は相変らず“古臭い昔”のままだ。
現代車と起亜車の内部でも労働者に対する対処を変えねばならないという共感がある程度形成されているという話が伝わる。“会社の公式立場”と異なる意見を出すことが“抗命”と捉えられがちなところへ、特有の上意下達の決定構造という壁が、社内の異なる声が公開されることを防いでいるのだ。
社内下請け判決に対して控訴するかは現代車と起亜車に与えられた法的権利であるのは間違いない。だが、控訴を選ぶ前に、新車を作り新社屋を作ることだけで“第2の跳躍”が可能なのか考えて見る必要があるのではないか。
パク・テジュ雇用労働研修院教授は「社内下請け労働者を相手に時間稼ぎと思える訴訟を継続すれば、損失はもっと大きくなる」とし、「(その時間に)雇用安定と内部的柔軟性(物量移動など)の確保などの方案や生産性を高める方法を探すなど、変化の開始点とするのが長期的に得になるだろう」と話した。
韓国語原文入力:2014.09.25 22:38