著名な音楽大学教授が懲役刑
元検察総長や国立医療院長も捜査中
「無理やり抱きつかれ」「体を触られた」
被害女性職員が告訴
主従関係にある女性たちが被害
指導層に蔓延る誤った性感覚が原因
元国会議長やソウル大学教授などセクハラ事件が絶えない。12日には元検察総長と元国立中央医療院長がセクハラ容疑で告訴されていた事実が伝えられた。専門家たちは“権力型エリート”出身者が弟子や被雇用人との“甲乙関係”(主従関係)を悪用した権力型の性犯罪を犯していることに注目する。
こうしたなか、名のある音楽大学教授が弟子4人を相次いでセクハラした容疑で裁判所で実刑を宣告されていた事実が確認された。著名な演奏者の父でもあるC教授は昨年、○音大客員教授だった4か月間に18歳から22歳の女子学生4人をセクハラした容疑で起訴され裁判を受けた。裁判所は「師弟関係により自身の監督を受ける被害者に対し威力でみだらな行為をした」と判断した。
C教授の判決文を読むと、甲乙関係が明確な“一対一徒弟式”の教育方式を悪用した典型的事例であることが分かる。彼は講義室に一人でレッスンを受けに来た学生の胸を触ったり、下着の中に手を入れた。女子学生のズボンのジッパーを下げ体を触ることまでした。わずか4か月の間に14回もそうした行動をした事実を裁判所が認めた。C教授は性的暴言までしておきながら「娘のようだったから」と弁明した。「娘のようで」というのは、パク・ヒテ元国会議長(76)がゴルフ場キャディーをセクハラしたという疑いに対して“釈明”するとして言った言葉でもある。
C教授は「身体接触行為は弟子の姿勢を校正し拍子を合わせるためにお尻をたたいたり腹を触るものであり、これは世界的に認められるレッスン方法の一つだ。熱情的に授業をしていて起きた行為」と主張した。 また「下着の中を触られているのに成人である被害者が教授の威勢に恐れをなし、それを受け入れるというのも納得できない」と主張した。
だが、1審裁判所は懲役1年6か月の実刑を宣告し、性暴行治療プログラム80時間の履修を命令した。控訴審も1審の刑量を維持し有罪を認めた。先月31日、蔚山(ウルサン)地方裁判所刑事3部(裁判長チョン・ゲソン)は甲乙関係による性暴行だったことを明らかにし、「被害者はC教授の学内の地位が極めて高く、自分たちの将来に影響力を行使すると信じていた。徒弟式でなされる教育の特性などに照らし、(成人である学生たちが威勢に恐れをなすはずがないという)主張は受け入れ難い」とした。最近、著名な数学者であるソウル大学のK教授にセクハラされたと主張している学生たちも「(教授と学生という)甲乙関係のため今まで話せなかった」としている。
元検察総長で京畿道にあるゴルフ場の会長であるS氏も、ゴルフ場の女子職員をセクハラした容疑で告訴され警察の捜査を受けている。京畿地方警察庁第2庁性暴行捜査隊は「ゴルフ場案内ディスクで働いていた20代の職員が、検察総長出身のS氏からセクハラにあったという内容の告訴状を受けつけた」と明らかにした。この女性職員の父は、S氏が昨年6月にゴルフ場の寮にある娘の部屋を訪ねてきて、シャワーをしていた娘を出させた後、力ずくで抱きついて頬に口をつけられ「私の妻よりきれいだ。愛人になれ」などと話して、無理やり5万ウォンを受け取らせて帰ったと主張した。この女性職員はしばらくして辞職した。
S氏は『ハンギョレ』との通話で「退社するというので引き止めようとして会い、他の女子職員2人が同席して4人で20分程度話して別れた。その女性と二人だけで会った事実はなく、なんら不適切な行動もなかった」として、「まったくでたらめな告訴に法的に対応する計画」と話した。
元国立中央医療院長の○氏も20代の非正規女子職員をセクハラした容疑(強制わいせつ)で検察の捜査を受けている。教授出身の彼はこの女性職員の体を何度も触った容疑を受けている。彼も容疑を否認していることが分かった。
法務部長官を歴任したパク・ヒテ元国会議長のセクハラ事件は、すでに検察に送検されて一か月が過ぎているのに処分が出ないでいる。パク元議長は9月に江原道のあるゴルフ場で20代女性キャディーの体を触ったセクハラ容疑で告訴された。警察は9月末に起訴意見をつけて事件を検察に送検した。春川地検原州地庁は「補完する事案がある。近く事件で処分するだろう」とした。
権力型エリート出身者は計略や権力関係に非常に敏感だ。権力の作動方式もよく知っている。こうした特性が性犯罪にも反映されていると専門家たちは指摘する。イイム・ヘギョン韓国女性民友会性暴行相談所長は「これほどの地位にあるならこのくらいのことなら大丈夫だという誤った意識が蔓延っている」と話した。
チェ・ジナ韓国性暴行相談所事務局長は「職位が低い人に勝手なことをしてもかまわないと考えているためだ。エリートコースを歩んできた社会指導層で特に無感覚だ」と話し、イ・ミジョン韓国女性政策研究院研究委員も「性犯罪を犯しても問題が発生しそうにない人をターゲットにする」と話した。イ研究委員は「大学で性犯罪が頻繁に発生するのは指導教授が修・博士過程の学生に対して論文から卒業後の任用まで強大な権限を持つため」と指摘した。
韓国語原文入力:2014.11.13 00:44