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韓国検察がネットの“リアルタイム摘発”を計画…朴槿恵大統領の意向を受け

登録:2014-10-13 09:28 修正:2014-10-13 11:53
先月「ネイバー」「カカオ」など呼び出し
特定単語のモニタリング方針を提示
検察「16日の国政監査で立場を明らかにする」
警察にカカオトークの押収捜査を受けたチョン・ジンウ労働党副代表が1日午前、ソウル貞洞のフランシスコ教育会館で人権団体連席会議や公権力監視対策チームなどの市民団体と記者会見を開き、査察を受けた内容を公開し公権力のカカオトーク押収捜査の中断を求めている。ソウル/連合ニュース

 “サイバー検閲”問題を巻き起こした検察が、「国論分裂および政府・公職者の誹謗」を主要な取り締まり対象に特定単語をリアルタイムでモニタリングすることにした事実が確認された。 検察は会議資料で、朴槿恵(パク・クネ)大統領が“大統領冒とく”に憤慨した閣僚会議での発言を強調し、今回の取り締まりが朴大統領を意識した措置であることを示した。

 12日、国会法制司法委員会所属のソ・ギホ正義党議員が入手後に公開した大検察庁(最高検察)の「サイバー上虚偽事実流布事犯の厳正処断汎政府関連機関対策会議」という資料に重点捜査対象と方法が提示されている。 検察は重点捜査対象として、△疑惑提起を装った根拠のない暴露性発言△国家的大型事件発生時に事実を歪曲して政府政策に対する不信を助長する各種陰謀説、虚偽デマの流布△公職者の人格と私生活に対する悪意的で不当な中傷・誹謗、などを提示した。

 この資料は、先月16日に朴大統領が閣僚会議で「大統領に対する冒とくが度を越している」と語った後、18日に大検察庁が安全行政部と未来創造科学部など政府部署とともに、ネイバー、ダウム、カカオなどインターネット業界関係者を呼び出して進めた対策会議で議論した内容だ。

 検察は取り締まり方法として、ポータルとホットラインの構築、インターネットのリアルタイム・モニタリングをあげた。「主な名誉毀損・侮辱事件専門の捜査チームとポータル間にホットラインを構築」した後、「インターネット犯罪捜査センターで運用中の『インターネット・モニタリングシステム』を活用、デマ・名誉毀損の主なターゲットと指定された論題と関連した特定単語を入力・検索してリアルタイムで摘発」するということだ。

 会議資料には「サイバー上で国論を分裂させる『でなければやめよ』式の暴露性発言が度を越していて…国民の不安が大きくなり手のほどこしようもなくなります」という朴大統領の閣僚会議での発言を強調して載せている。パク・チウォン新政治民主連合議員が「大統領府の“秘線”である“萬挽会”(マンマンフェ)が人事と国政を動かしている」と発言したことで不拘束起訴されたのがサイバー虚偽事実流布処罰事例の一つとして提示された。『産経新聞』の加藤達也前ソウル支局長が朴大統領の「7時間の疑惑」を記事にして起訴されたのもこの会議の延長線上にあると解釈される。

 検察は会議で直接ポータルに文の削除を要請する方案も提示した。 捜査機関である検察が民間業者を取り締まりに動員するばかりか、さらには放送通信委員会の役割まで自認したことになる。だが、一部の政府・業界関係者は、検察のリアルタイム検索方針が技術的にも法的にも不可能だという意見を出したと伝わる。

 ソ・ギホ議員は「情報通信網法では文を削除するには放送通信委員会が審議を経てポータルに命令させているが、検察の即時削除要請はこれを無視した超法規的発想」と指摘した。 パク・ギョンシン高麗大学法学専門大学院教授は「名誉毀損は政権保護目的の乱用の可能性があるため刑事処罰しないのが国際的傾向であるが、我が国だけが逆行している。 検察方針は“緊急措置1号”のデマ流布罪を生き返らせるようなものだ」と話した。

 検察関係者は「検察が直接削除するのではなく、放送通信審議委が被害救済手続きを積極的に広報する方法で削除できるようにするという趣旨」であるとして、「16日に開かれるソウル高等検察庁国政監査で今回の論議に対する検察の立場を整理して明らかにする」と話した。

イ・ギョンミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr ) 

韓国語原文入力:2014.10.13 07:51

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/659461.html  訳Y.B(1535字)

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