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朴大統領の“ミステリー人事”再発…突然の大統領府首席秘書官辞任に説明なし

登録:2014-09-21 21:01 修正:2014-09-22 22:02
就任3か月で突然の辞職…大統領府参謀も“当惑”
数日前までアジア競技大会の準備で業務に熱意
ソン・グァンヨン大統領府教育文化首席。資料写真//ハンギョレ新聞社

「正修奨学会」理事出身のソン・グァンヨン大統領府教育文化首席秘書官が20日、就任後僅か3か月で突然辞職願いを提出し、その背景と理由に関心が集まっている。 ソン主席はセウォル号事件以後に断行された大統領府参謀陣の人的刷新により6月23日に任命されたが、3か月で退くことになった。

 ソン主席は仁川(インチョン)アジア競技大会主務首席としてこれまで意欲的に大会を準備してきたが、大会初日に突然辞退し、その理由と背景を巡り釈然としない雰囲気を残した。 大統領府もソン主席が辞表を出し、朴槿恵(パク・クネ)大統領がこれを直ちに受理した理由について納得に足る説明をしていない点も疑惑を大きくしている。 セウォル号事件後、国務総理候補者が相次いで落馬するなどの人事不祥事に続き、3か月後に大統領府の人選問題がまた俎上に上がったわけだ。

 朴大統領のカナダ国賓訪問に随行している大多数の参謀陣は、ソン主席の落馬の報に接しても明確な理由がわからず当惑する表情を隠せなかった。 カナダのオタワに留まっている大統領府関係者は21日(現地時刻)、「(ソウル教育大教授である)ソン主席が『学校に戻りたい』という意向を明らかにしたというのが(対外的)説明だが、詳しい(辞退の)理由は分からず“個人的な問題”とだけ伝え聞いた」と話した。

 ソン主席はわずか数日前にも記者らと会い、アジア競技大会の準備状況と教育関連懸案を説明するなど業務に熱意を見せていたという点で、大統領府の説明は説得力に欠ける。 当事者であるソン主席は外部との連絡を断っている。 このために大統領府内外では、ソン主席に傘下機関長の人事問題で失敗があったとか、大統領府首席任命前にあった個人的な問題が遅れて明らかになったのではないかなど、確認されていない推測ばかり乱舞している。

 しかしアジア競技大会が開幕直後であることに加え、朴大統領がカナダ・ニューヨーク歴訪のために出国する当日に慌てて辞表の受理と処理がなされたことを考えれば、公職者として深刻な失格条件が明らかになった可能性が大きい。 ソウル教育大学総長と正修奨学会理事などを務めたソン主席は、6月末の任命当時にも弟子が書いた論文を学術誌に掲載し、自身を第1著者として登載し研究成果を横取りしたという疑惑が提起されるなど、論文を巡る種々の論議で物議をかもした経緯がある。

 人選過程はもちろん、辞退の理由まで不透明な朴大統領の“まっ暗闇な人事”は今回に始まったものではない。 昨年1月、大統領職引継ぎ委員会時期に統一部長官候補にも下馬評が取りざたされたチェ・テソク当時引継ぎ委員が突然に辞退したが、いまだにその理由は明らかでなく“チェ・テソク ミステリー”と呼ばれた。 今年2月には大統領府がチョン・ヘソン当時統一部統一政策室長を国家安保戦略秘書官に内定したが、きちんとした説明もないままに人選を撤回し、チョン室長が再び統一部に戻ることもあった。 政府がスタートした直後、広報首席室秘書官に内定した人が出勤すると人事を撤回されたこともあった。

 現政権の主要公職者の人選に関連して“抜てきの理由や背景がまったく分からない”とする指摘が絶えない状況で、今度は公職者が退く理由すらきちんと公開されないことが繰り返されているわけだ。 主要政策を扱う高位公職者の任命と辞退については、政府が国民に十分な説明をしなければならない義務と責任があるという点で、朴大統領と大統領府は今回も“不通”と”一方的”という世論の批判を避け難く思える。

オタワ/ソク・ジンファン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/656052.html 韓国語原文入力:2014/09/21 14:04
訳J.S(1701字)

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