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韓国軍兵士死亡の捕虜訓練は映画『ブラヴォー・ツー・ゼロ』が見本だった

登録:2014-09-18 11:13 修正:2014-09-18 11:26
特戦司令部幹部の即興的な指示が明らかに

 今月初めに特殊戦司令部(特戦司)の副士官2人の命を奪った“捕虜体験訓練”が、外国の特殊部隊の活躍を描いた映画を見て拙速に真似た訓練だったと、ユン・フドク新政治民主連合議員(国防委幹事)が17日に明らかにした。

2012年2月忠清南道安眠島の海上訓練場での特戦司令部の訓練の様子。特戦司令部特有の集団精神には行き過ぎた誇示欲や功名心のほか、人間の限界を顧みない偏向性が指摘されている。シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

ユン議員はこの日、「今年4月3日に特戦司令部で開かれた“戦闘映画祭”で幹部が英国特殊部隊を扱った映画『ブラヴォー・ツー・ゼロ』を兵士らと一緒に観た後、茶の席で映画に登場した“特性化訓練”に言及し、『我々にはどうしてあんな訓練がないんだ。我々もやってみよう』と意見を出して用意されたという報告を軍当局から受けた」と話した。『ブラヴォー・ツー・ゼロ』は1991年の湾岸戦争でイラクに特殊任務を帯びて投入された英国のSAS隊員の話を扱った映画だ。

 特戦司は5日後の4月9日に配下の旅団に生存技術などの特性化訓練の実施を指示し、その後の5月2日に指揮官討議、5月26日に「特性化訓練センター」が開設されるなど、一気に進行したとユン議員側は伝えた。これに伴い、配下旅団では特性化訓練のうちの生存技術課程や殺傷技術課程などを分野別に分けて準備しており、「捕虜時の行動要領」課程を任された第13空輸旅団は、9月15日から10月19日の正式試験適応訓練を控えた9月2日に自ら先行訓練を行って事故を起こした。

 軍当局は事故当時の訓練内容について、「今年4月から6月までに外国の事例を参考にして訓練内容に対する先行研究をし、優秀な教官を選抜して教育準備をした」と明らかにしていた。これに対してユン議員側関係者は、「軍当局者はこの日の報告の席で『米国や英国などの教範に基づき訓練を作ったが、まだマニュアルが完成していたわけではない』と事実上の拙速な訓練であったことを認めた」と話した。また、訓練中に特戦司要員の顔に被せた頭巾も、教官2人が部隊前にある文房具店で購入した靴入れの袋だったほど、事前の研究検討が不十分だったことも明らかになった。訓練当時、教官は閉鎖恐怖症がある要員には靴袋に切れ目をつけて顔に被せたが、そうでない要員にはそのまま被せたと伝えられた。

 事故収拾の過程においても、28師団のユン一等兵暴行死亡事件や22師団銃器乱射事件の時に指摘された報告遅延などの問題が起きていた。ユン議員室関係者は「事故がおきた当日の夜間訓練は司令部にも報告されなかったし、事故発生の事実も発生当日に旅団長に報告されなかったと聞いた」と話した。

 軍当局は事故当時の訓練を指導した教官4人を拘束した。また、チョン・インボム特戦司令官と第13空輸旅団長などに対しては指揮監督不十分の警告措置などをする予定だという。

 忠清北道曽坪(チュンピョン)の第13空輸特戦旅団所属の副士官2人は今月2日夕方、配下の部隊で顔に頭巾を被せたまま孤独感と恐怖感を克服する訓練である“捕虜時の行動要領”訓練で意識を失って倒れ、病院に移送された死亡した。

パク・ビョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/655723.html 韓国語原文入力:2014/09/18 07:53
訳Y.B(1560字)

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