イルベなど約100人が光化門に集結
遺族たちの前でこれ見よがしに海苔巻き・ピザ
保守政党・マスコミが暗黙的支援・擁護
保守勢力を代表しているという錯覚を煽る
ゆがんだ認定欲求…非難も楽しむ
司法的対処が可能か、検討が必要
インターネット掲示板サイトの「日刊ベスト貯蔵所(イルベ)」会員ら約100人が6日午後、ソウル光化門(クァンファムン)広場で断食を続けるセウォル号遺族たちの前で“暴食闘争”を行った。 彼等はセウォル号特別法制定を要求し同調断食をしている市民の前で海苔巻きやピザなどを食べて、一部市民らと衝突もした。 個別的な“認証ショット遊び”(現場に行った証拠写真をオンラインで公表すること)の水準に止まっていたイルベ会員らがオフライン空間で集団的に行動した初の事例だ。
専門家たちはこれを“イルベの進化”と見ている。 インターネットという匿名空間を越えて、自分の姿をなに憚ることなく露出させ公然と行動に出ているという点からだ。 シン・ジンウク中央大学社会学科教授は9日、「今回の暴食闘争のようにイルベ会員らが特定の場所に集まって行動したのは既存の様相とは質的に異なる変化」と話した。 シン教授は、保守政党とマスコミが彼等の逸脱行為に対して沈黙することにより、このような動きを煽っていると見ることもできると話した。
彼は「韓国の保守政党と保守マスコミはイルベ会員らの言動に反対意見を明確な表明をしたことがない。 むしろ暗黙的支援、鼓舞、擁護をしている。 これはイルベ会員自身が社会保守勢力を代表して行動しているという錯覚を与える。 政治とマスコミがイルベを進化させる基盤として作用している」と話した。
集団的“イルミング アウト”(自身がイルベ会員であることを認証する行為)は、保守偏向の韓国社会が内包した社会的現象という解釈も出ている。 心理企画者イ・ミョンス氏は「イルベ会員たちは、自分たちが活動できる領土自体が拡張されたということを認知している。 自身が威嚇を受けないと判断したのでこのような行動を行ったと見なければならない」と話した。 彼は「いつからか韓国は自身の目的のためには手段と方法を選ばなくとも良い社会になった。 恥じる必要はないということだ。 物質や成果のためには弱者を踏みつぶしても構わないという弱肉強食の世相がこのような行動を可能にさせた要因」と話した。
ファン・ジュンウォン江原大学精神健康医学科教授は、ゆがんだ“認定欲求”も作用していると診断した。 ファン教授は「イルベは基本的に大衆の関心に飢えている集団だ。 肯定的反応ばかりでなく否定的反応までも被虐的に楽しむ指向を持っているのもそのためだ。 暴食闘争はこのような被虐的指向が集団的に表出された事例」と語った。
セウォル号遺族たちは怒りに震えている。 全羅南道珍島(チンド)で今も弟と甥の遺体を探しているクォン・オボク氏(60)は「人間の道理を知る人ならば、そのような行動ができるのか。 家族を失った悲しみを抱いている人々に対して決して許される行為ではない」と話した。 檀園高校の犠牲者であるアン・ジュヒョン君の母親キム・チョンヘさん(44)は「無念な死の原因を一つでも明らかにしようと特別法の制定のために努めているのに、何を考えてあんな行動をするのか…」と話した。
チョン・サンジン西江大学社会学科教授は「イルベの行為は、被害者に向かって逆に責任を問う、嫌悪犯罪と類似した側面が多い。 このような行為に対して司法的対処が可能かを検討する必要がある」と話した。