断食座り込み現場に駆けつけ座り込みをしている人の健康をチェックするのはこれまでもしてきたことだった。 昨年初めの全国公務員労働組合キム・チュンナム委員長の断食の時も、2012年のカン・キガプ元統合進歩党代表の断食の時も、現場にはソウル市立東部病院内科長のイ・ポラ氏(35)の姿があった。
46日間にわたり断食した“ユミンの父さん”キム・ヨンオ氏(47)の主治医として知られたイ科長は、人道主義実践医師協議会(人医協)の組織局長だ。断食座り込みが行われ、人医協に医療支援の要請が入ってくれば彼女は当たり前のように現場を訪ねる。 先月19日にソウル光化門広場の断食座り込み場を訪れたのも同じ理由だった。 大統領面談とセウォル号特別法の制定を要求する遺族の健康をチェックするのは彼女の仕事だった。
「現場を訪問し続けていた結果、いつのまにかキム・ヨンオ氏の主治医になりました」
31日に『ハンギョレ』と会ったイ科長は、セウォル号事故犠牲者を追慕する黄色いリボンのネックレスをしていた。「初めて会った時にキム・ヨンオ氏がくれたもの」だという。
イ科長は2012年にソウル駅でホームレスの医療奉仕をして、そこで活発に医療支援活動を行っていた人医協に加入することになった。それに先立つ2010年には、ソウル江東(カンドン)区で独居老人たちの医療支援活動にも加わった。当時、飢死直前の一人の老人を発見して119番で救急車を呼び、自分が勤務する病院に移送して治療した。イ科長は「キム・ヨンオ氏を私が勤務している病院に連れていったのも同じ経緯」だったと話した。
彼女が勤務しているソウル市立東部病院は、昨年、ホン・ジュンピョ慶尚南道知事が廃業させた晋州(チンジュ)医療院と同じ公共病院だ。民間病院で働いていた彼女は「公共医療の重要さを訴えるだけではなく、実際に公共医療の現場で働いてみよう」と考え2012年6月に同病院に転職した。仕事はきつくなり給与も減った。
最近になり『朝鮮日報』などが、「統合進歩党のソウル麻浦(マポ)区甲の副委員長だった」 と彼女の政治的履歴を掘り起こして書いた記事に対して、イ科長は「あきれてしまい、個人的に傷ついた」と話した。彼女は「セウォル号遺族の要求は正当だと考え、彼らが助けを必要としていたので医師としてできる部分を助けただけ」と話した。彼女は2012年の統合進歩党の分党過程で離党している。