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ソウル市教育庁が一般高校の荒廃を防ぐため支援予算を倍増する方針

登録:2014-09-03 23:47 修正:2014-09-04 07:31
チョ・ヒヨン ソウル市教育監が3日午後、鍾路区新門路の庁舎で「一般高校全盛時代」の基本計画を発表している。 イ・ジョンヨン先任記者//ハンギョレ新聞社

「一般高校全盛時代」基本計画の試案発表
成績中下位圏の生徒たちに職業教育を強化
不適応生徒のための“人生学校”も推進

高校選択制は来年3月までに改善
2016学年度新入生から適用する計画

 ソウル市教育庁のチョ・ヒヨン教育監(長)が、一般高校を支援する学校運営費を現状の2倍に増やし、職業教育などを強化する「一般高校全盛時代」構想の骨格を明らかにした。「自律型私立高校」(自私高)を縮小・廃止し、成績優秀な生徒が自私高に集中して一般高校が荒廃化するのを防ぐ一方で、一般高校に対する財政支援を増やして教育を多様化させ、大学入試での競争力も高めて一般高校の正常化を試みるという“ツートラック戦略”だ。

 チョ・ヒヨン教育監は3日にソウル市教育庁で記者会見を行い、こうした内容の一般高校全盛時代の基本計画試案を発表した。具体的な推進計画は意見をさらに集約した後、12月に明らかにする予定だ。

 教育庁は一般高校を支援する年間学校運営費を現行の5000万ウォン(1ウォンは約0.1円)から1億ウォンに増額する方針だ。これは教師の人件費のような硬直性経費ではなく教育活動にのみ使われる予算で、主に大学進学相談サービスの強化やサークル活動・職業教育課程に投入される。学校運営費の増額効果は「革新学校」で相当部分検証されている。 革新学校に限り1億ウォンの予算を投じたところ、教育活動の多様性が高まり、大学入試でも良い成果につながったという評価が多い。イ・コンジェ京畿女子高校教頭は「それくらいの予算があれば生徒数が少なくて開設できない科学・英語の深化科目や芸術・体育志望生のための課程を講師を招いて作ることができる。 費用が多くかかる外部体験学習にも役立つ」と話した。

 成績が良くなく「特性化高校」に行けず一般高校に進学した成績中下位圏の生徒たちには職業教育を強化する。それと合わせてソウル市と協力して特性化高校1校を新設し、特性化高校の学級当たり生徒数を増やす計画だ。最近オーディション・プログラムで人気が高まっている瑞草(ソチョ)と恩平(ウンピョン)の文化芸術高等学校の定員を180人程度増やすことにした。

 一般高校にも適応できない生徒たちのためには“人生学校”プログラムを推進する。一定期間のオルタナティブ学校で、人文・芸術・体育関連の活動などを自由にした後、再び一般高校に戻れるようにする内容だ。学校内で運営する代案教室も今年の18校から来年までに30校に増やす。

 関心が集まっている“高校選択制”に関しては来年3月までに改善方案を決めると明らかにしたが、具体案は示さなかった。高校選択制は中学3年生がソウルのどこにある学校でも志願できる機会を与える政策だが、一般高校内での格差を拡大するという副作用を招来したという指摘が多かった。そのためチョ・ヒヨン教育監の(教育監当選後の)業務引継ぎ委員会でも、一般高校に進学する新入生の教科成績分布を均すように配分する“均衡配分制”の施行を提案した。イ・クンピョ教育庁教育政策局長は「政策の波及効果が大きいだけに慎重に検討するものの、遅くとも来年3月前までには決めて2016学年度の新入生から適用する」と話した。

 「私教育の心配がない世の中」のアン・サンジン副所長は「全般的な方向性は合っていると思う。しかし自律型私立高校や特別目的高校などが前期募集で一般高校より先に成績優秀生徒を獲得している問題に対しては言及がなく残念だ」と話した。

キム・ジフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/654117.html 韓国語原文入力:2014/09/03 22:31
訳J.S(1692字)

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