済州道が推進する営利病院の波紋
サンアル(善児)病院は株主会社が1年前に廃業
CSCグループ済州事務所もすでに撤収
福祉部「事実関係を確認中」
国会保健福祉委員会所属のキム・ヨンイク議員(新政治民主連合)は27日、「済州道(チェジュド)に営利病院の設立を申請した中国のサンアル(善児)病院の親会社会長が、昨年7月に詐欺融資の疑いで中国公安に拘束され、この病院の投資家の財政状況も劣悪である事実が確認された」と明らかにした。 サンアル病院の済州道進出に関する承認可否を審査している保健福祉部は、この日も「(親会社)会長の拘束をはじめ該当会社が実際に営利病院設立のために投資する余力があるのかを確認し、承認可否を決める」という従来の方針を繰り返しただけだった。
キム議員はこの日『ハンギョレ』との通話で、「済州島に営利病院を作ろうとする中国CSCグループの会長は、昨年7月に架空の株式と鉱山を担保にして詐欺融資を受けた疑惑で中国政府に拘束された状況」にあると明らかにした。さらに「中国側のサンアル病院の最大株主である『サンアルバイオ有限公司』と『クァンソンエ鉱業投資有限公司』は昨年8月にすでに廃業しており、中国側の病院も経営に困難をきたしている」と暴露した。こうした事情からCSCグループが500万ドルの巨費を投じて済州島に営利病院を建てるほどの余力はないと思えるとキム議員は指摘した。さらにキム議員側が確認した結果、CSCグループが済州島に開いた事務所は昨年末にすでに撤収していた。
キム議員は「サンアル病院の親企業の問題を、保健福祉部、外交部、済州道に問い合わせたが、『事実を確認してみる』という返事しか返ってこなかった。営利病院の承認自体が問題だというのに、中国でも詐欺容疑を受けている企業に営利病院を任せるという韓国政府はさらに問題だ」と批判した。
これと関連して福祉部は「(親企業の)資金条件など投資余力も重要な承認条件」で「事実関係を確認中」という原則的な返事だった。 だが、福祉部内部には否定的な雰囲気が広がっているという。福祉部関係者は「(患者の誘致より)不動産投機が目的で病院を建てようとしているのではないか綿密に調べている」と話した。今月12日、政府次元で保健・医療サービス分野の投資活性化対策を出し、設立承認を肯定的に検討した時とは全く異なる反応だ。
キム・ヨンイク議員は「済州島営利病院は、韓国保健当局の統制を受けず患者に高価な医療費を思いのままに請求できるので、こうしたことが国内病院にも広がるだろう。 政府は済州島営利病院承認計画を直ちに撤回しなければならない」と話した。
キム・ヤンジュン医療専門記者 himtrain@hani.co.kr