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韓国4大河川事業 日照りで一滴の水も使えない無用の長物だった

登録:2014-08-22 19:45 修正:2014-08-23 07:34
尚州堰左岸のコンクリート堤防に発生した亀裂。ハンギョレ資料写真

日照り地域は大部分が上流
堰は中下流地域にあり
4大河川事業以後に発生した
緑藻除去のための放流に使用

 政府の4大河川事業で作られた16個の堰で閉じ込めた6億4千万トンの水は、今年深刻だった江原道(カンウォンド)・慶尚北道(キョンサンプクド)地域の日照りにはただの一滴も使えなかったことが分かった。 豊富な水量確保は4大河川事業の主要目標だったが、確保した水は日照りには何の役にも立たなかったわけだ。 4大河川の堰で閉じ込められた水は、堰の建設に伴って発生したと推定される緑藻を除去することだけに使われたことが分かった。

 21日、韓国水資源公社によれば、8月中旬までの日照りで江原道・慶尚北道の一部地域は深刻な水不足に苦しんだ。 特に江原道華川(ファチョン)など1108世帯2858人は給水車を通じて水を供給され、慶尚北道安東(アンドン)など339世帯786人には水の供給が制限されるなど、計17地域53か村の447世帯3644人が日照りに苦しめられた。

 このような日照りを解消するために4大河川の16個の堰で閉じ込めた6億4千万トンの水は全く役立たなかった。 水資源公社のチョン・グヨル 水管理センター長は「日照りになった地域と4大河川堰が離れていて、主に近いダムから水を供給した」と話した。 日照りになった地域は大部分が漢江(ハンガン)と洛東江(ナクトンガン)の上流地域だが、4大河川の堰が建設されたところはほとんどが4大河川の中下流地域だ。

 4大河川事業で確保した水は、他の用途にも別に使い途がなかった。 国会立法調査処キム・ジンス調査官が国会国土交通委員会キム・サンヒ議員に提出した「4大河川事業で確保した水資源活用方案」を見ると、4大河川事業で確保した水は‘緑藻除去のための放流’と‘取水障害の改善’だけに使われたことが分かった。 4大河川事業の16個の堰と93個の農業用貯水池で現在確保した水量は9億3千万トンだが、このうち2013年には6900万トン、2014年には1100万トンなど計8千万トンを緑藻を除去するために使ったという。 緑藻は4大河川事業に伴って発生したという分析が有力で、そうした事情を考慮すれば緑藻除去のための放流を‘4大河川事業で確保した水資源活用’と言うのは本末転倒だ。

 ‘取水障害の改善’は4大河川の水位を自然状態より平均1.7メートルより高めたことによって、生活・農業用水の取水上の困難を減らしたという内容だ。 これについても問題がある。 取水障害が過去には多くなかった。 1999~2005年に洛東江で18回発生したが、2006年以後は洛東江で2008年と2011年に計2回しか発生していない。 漢江、錦江(クムガン)、栄山江(ヨンサンガン)では過去に取水障害が発生しておらず、現在は4大河川の堰からは取水自体をしていない。 結局、16個の堰で閉じ込めた水は、現在までこれといった活用実績がないことになる。

 国会立法調査処も結論として「日照りが発生する地域に用水を供給するための方案が樹立されておらず対策が必要だ。 4大河川の本流と支流地域に灌漑施設を構築しなければならない」と助言した。 パク・チャングン市民環境研究所長(関東大学教授)は「4大河川の堰は国土の低地帯にある反面、日照りは山間部の高い地帯で起きるので、堰の水を日照り対策に使うことはできない。 また、4大河川の堰建設で水質を悪化させておきながら4大河川の堰の水を放流して水質を改善したという話は‘コメディ’と言わざるをえない」と話した。

世宗/キム・キュウォン記者 che@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/652298.html 韓国語原文入力:2014/08/22 14:44
訳J.S(1666字)

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