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地下の放射性廃棄物処分場に活断層 韓国政府は知っていながら建設許可

登録:2014-08-21 09:49 修正:2014-08-21 10:40
2012年8月慶尚北道慶州市陽北面奉吉里の「中・低レベル放射線廃棄物第1段階洞窟廃棄物処分庫(サイロ)」で労働者が鉄筋を運んでいる。写真/韓国原子力環境公団提供

断層の存在を示す政府報告書入手
環境運動連合、違法性指摘

 慶尚北道(キョンサンブッド)慶州(キョンジュ)の中・低レベル放射性廃棄物処分場(放廃場)の敷地近くに、再び活断する可能性が高い活性断層が多数分布していることを政府が事前に知っていたにもかかわらず、建設および運営の許可を出していた事実が確認された。

 「環境運動連合」は20日、慶州放廃場の建設および運営許可の取得過程で提出された予備安全性分析報告書などを入手して分析した結果、放廃場の敷地を横切ったり近くに存在する活性断層が多数存在する内容があると明らかにした。政府が許可前から活性断層の存在を知っていた事実が政府公文書で確認されたのは、これが初めてだ。政府が放廃場建設を強硬しようと意図的に隠ぺいした疑いがあり問題になりそうだ。

 活性断層とは過去に一度動いたことがあり、地震発生の可能性が高い断層をいう。原発の敷地選定時に適用される「米国原子力規制委員会」(NRC)の基準では、3万5000年前後に1度か50万年前後に2度以上活動があった断層を活断層と分類している。

 政府の分析報告書をみると、52万7000年前に動いた時がある「Z22断層」は放廃場敷地を横切っている。放廃場近くの月城(ウォルソン)原発敷地から500メートル以内には、34万8000年前に最後の運動をして今まで4回以上活動した「Z21断層」と、20万9000年前に最後の運動をして今まで3回以上活動をした「Z31断層」も存在する。

 月城原発1号基のストレステストの実行評価書ではZ21とZ31断層を一つの活動性断層と評価し、マグニチュード5.2の地震が発生する可能性があると判断していた。活動性断層は活性断層のなかでも最近に活動記録があり、地震が起きる可能性がさらに高い断層を指す。

 環境運動連合エネルギー気候チームのヤンイ・ウォンヨン次長は、「放廃場はマグニチュード6.5の地震に耐えられるように建設されたというが、敷地上で同じ規模の地震でも、地震減から近い地下の構造物ではずっと大きい力が作用することがある」と指摘した。

 放廃物を保管する地下の構造物であるサイロは海抜80メートルの地下にあり、慶州放廃場には6つのサイロが建設されている。ヤンイ・ウォンヨン次長は「慶州放廃場は中・低レベル放射物の半減期を考慮すると、少なくとも300年は安全に管理しなくてはならない。その間に地震が発生して地下の岩盤が割れれば、厚さ2.1メートルのサイロが壊れる危険がある」と語った。

 環境運動連合は政府が慶州放廃場に活性断層があるのを知りながら建設を許可したのは違法行為であると指摘した。原子力安全委員会の『中・低レベル放射性廃棄物処分施設の位置に関する技術基準』をみると、「処分場は活性断層地域やそれと似た地域に隣接してはならない」と明示されてある。中・低レベル放射性廃棄物処分施設土地選定員会も2005年に出された敷地適合性基準の排除基準として、「活性断層地域やそれに似た地域に隣接する場合」をあげていた。

 ただ、敷地選定委員会は当時、放廃場敷地に活性断層があるという事実を知らなかった。後の2008年に予備安全性分析報告書で活断層が存在する事実を知りながら規制当局が建設および運営の許可を出したのは違法行為になる。

イ・グンヨン先任記者kylee@hani.co.kr

韓国語原文入力:2014.08.20 21:36

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/652122.html

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