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セウォル号犠牲者の心に届くフランシスコ教皇からの手紙

登録:2014-08-19 01:05 修正:2014-08-19 07:44
失踪者家族の手紙に返信「家族の許に戻れるように…」
失踪者10人の名前を一人ずつ挙げて祈祷
「がんばってください。祈っています」家族たちを慰労
フランシスコ教皇の手紙

 フランシスコ教皇の訪韓期間中、彼らしさが伝わる最高の場面はセウォル号遺族に対する共感だった。

 初日、ソウル空港に降りて涙まじりに話すセウォル号犠牲者遺族を見て、彼が「胸の奥深くに刻んでいる。 胸が痛む。 絶対に忘れない」と言った言葉はその場限りではなかった。

 教皇は17日、セウォル号犠牲者の故イ・スンヨン君の父親イ・ホジン氏の洗礼式に同席した天主教水原(スウォン)教区安山代理区長のキム・コンテ神父に、「失踪者家族に伝えてほしい」と‘フランシスコ’という自筆署名が入ったハングルの手紙とロザリオ10個を手渡した。

 失踪者家族が教皇に「珍島(チンド)ペンモク港で酷い苦痛の中で一日一日をかろうじて耐え忍び死線に立っている」と書いた手紙に忘れずに答えた。

「直接訪ねて慰労の気持ちを伝えられないことを申し訳なく思う」と書かれた手紙はこう続く。

「しかし、今回の韓国訪問中ずっとセウォル号事故犠牲者たちと失踪者、そしてその家族のための祈祷を忘れることはなかった」

 さらに、「まだ犠牲者を胸に抱くことができず、この上なく大きな苦痛の中にいらっしゃる失踪者家族のための慰労の気持ちをどのように表現したらよいか分からない」と書かれてあった。

 教皇は「失踪者の檀園高校生ナム・ヒョンチョル、パク・ヨンイン、チョ・ウナ、ファン・ジヒョン、ホ・ダユン、檀園高校教師コ・チャンソク、ヤン・スンジン、一般乗客クォン・ジェグン、イ・ヨンスク、七歳のクォン・ヒョッキュが一日も早く両親と家族の許に戻れるように見守ってください」と失踪者10人の名前と共に切実な祈りを書いた。

 教皇は手紙の最後に「失踪者の家族の皆さん、がんばってください! 失踪者家族の皆さん、祈っています」と書き、‘神のしもべのしもべ フランシスコ’という自筆署名をした。

 キム・コンテ神父はこの手紙とロザリオの贈り物を19日に水原(スウォン)教区総代理イ・ソンヒョ主教とともにペンモク港を訪問して、失踪者家族に手渡す予定だ。 キム神父は「教皇は私の両手をしっかり握りながら‘失踪者家族の手を握って暖かい慰労の言葉を伝えてほしい’と頼んだ」ことを明らかにし、「教皇が治癒しようとする暖かく切実な心までうまく伝達できるか分からない」と話した。

 失踪者である檀園高校2年1組チョ・ウナさん(17)の母親イ・クムヒさん(45)はこの日、全羅南道(チョルラナムド)珍島ペンモク港で「教皇が失踪者家族の苦痛を忘れずに手紙を送られたと聞いて、心から感謝する。 教皇の思われた通りに娘が一日も早く両親の許に戻ることを切に望む」と話した。 イさんは「事故以後、とても多くの時間が流れ、失踪者家族全員が苦しみのなかにあるが、教皇の手紙で大きな慰安を得た」、「直接お目にかかって感謝の気持ちを伝えたい心情」だと伝えた。

 セウォル号事故が起きて4か月が過ぎ、事故に対する一般の人たちの関心も遠ざかろうとする今、教皇が真心に充ちた慰労をしてくれ、ソウル光化門(クァンファムン)のセウォル号犠牲者ハンスト座り込み場には通行中の市民が大勢訪ねてきて慰労し、真相究明署名にも積極的に参加している。

 教皇は18日午後1時、ソウル空港で飛行機に乗る瞬間までもセウォル号追慕の黄色いリボンをつけたままだった。 セウォル号の苦痛に対する始終一貫した慰労と共感で真心こもる愛を私たちの胸に残してくれた。

チョ・ヒョン宗教専門記者、光州(クァンジュ)/アン・クァノク記者 cho@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/religious/651766.html 韓国語原文入力:2014/08/18 22:28
訳J.S(1659字)

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