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韓国の裁判所 非行少年の一方的な退学処分は不当

登録:2014-08-16 08:25 修正:2014-08-16 08:59
窃盗を犯した生徒の退学措置取り消し
「非行に走る生徒も正しい道に進まさせねば」
韓国の裁判所

裁判所が非行を犯した生徒を退学処分で“解決”してしまう安易な学校行政を強い語調で批判する判決を下した。

ソウル行政裁判所行政11部(裁判長ムン・ジュンピル)は、ソウルのT高校を退学させられたコ君(16)の退学取り消し訴訟で原告勝訴の判決を下したと15日明らかにした。

1年生のコ君は今年4月、校友のイ君と一緒に友達の携帯電話を奪い、ホン君に売った。ホン君はこれをオンライン中古サイトで売ったのだが、警察はこの携帯電話が盗難品であると察知した。調べを進めるとホン君はすでに学校で盗まれた携帯電話を何台も売っていたことが分かった。T高校は3人の生徒をみな退学させた。コ君はソウル市教育庁(教育委員会)の「学生懲戒調停委員会」で再審を請求したが棄却され、訴訟に踏み切った。

裁判所は機械的に退学処分をするのは不当だと判断した。裁判所は「教育目的実現と内部秩序維持のため学則を定め懲戒処分をするのは可能な限り尊重されねばならないが、退学はもっとも過酷で重大な処分」であるとして、「懲戒の前歴がなく十分に改善の余地があるコ君に改善の機会すら与えない退学処分は不当だ」とした。

裁判所は判決文で、成長期の生徒が誤った道に進む時、正しい道を示す役割を放棄するのは教育機関としての使命を捨ててしまうことになるとした。「人格的に成熟していく過程にある生徒たちを指導するのが難しいという理由だけで放棄することはできず、むしろ、こうした生徒を最後まであきらめずに成熟できるようにしてあげるのが学校の役割」であると強調した。また、「善良な生徒たちが安心して学業に臨めるよう学習雰囲気を作るのも重要だが、非行に走ろうとする生徒たちを正しい道に進めるようにするのも学校の役目」と明らかにした。

T高校は窃盗をした生徒たちは例外なく退学させ、全国で一年間に退学処分を受けた生徒が数千名になり正当な懲戒であると裁判で主張していた。

ノ・ヒョンウン記者 goloke@hani.co.kr

韓国語原文入力: 2014/08/15 19:16

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/651382.html

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