11日に第2回南北高位級接触を北朝鮮側に提案した韓国政府が、翌日の12日には「5・24措置解除」および「金剛山(クムガンサン)観光再開」などの核心懸案に対して「北朝鮮が先に措置をとることが必要」という既存の立場に変化がないと明らかにした。
韓国統一部当局者はこの日、「前日に我々が高位級接触を提案したからといって、5・24措置および金剛山観光再開などに対する態度に変化があったわけではない。 北朝鮮が議論を要請すれば議論は可能だということであり、我々の既存の立場を後退させたり変えたものではない」と話した。 政府は2010年の天安(チョナン)艦沈没事件の後にとった対北経済制裁であるいわゆる「5・24措置」の解除のためには、北側の謝罪などが必要だという立場だ。 また金剛山観光の再開と関連しては、観光客の安全保障などが必要で、観光の代価として北側に提供される金銭が国連の制裁対象である「バルク キャッシュ(大量の現金)」に該当しないという国連対北朝鮮制裁委員会の有権解釈が必要だという立場を示している。
韓国政府のこのような態度は、前日に見せた融和的な対北朝鮮ジェスチャーを、再び撤回する姿勢を感じさせる。 韓国政府は11日午前、北朝鮮側に第2回南北高位級接触を提案し、約130億ウォン(約13億円)に及ぶ南北経済協力基金を国際機構である世界食糧計画(WFP)などを通して北側に支援すると明らかにした。 また、午後にはリュ・キルチェ統一部長官が記者懇談会で「高位級接触の議題としては双方の関心事を全て議論することができる」としたうえで「5・24措置および金剛山観光も議論が可能」と語り、政府の態度に変化があるのではないかという憶測が広がっていた。
韓国政府がこのように南側の議題である離散家族対面などだけに関心を傾け、北側の関心が強い議題である5・24措置解除などに対する立場の変化を見せなければ、第2回南北高位級接触がたとえ開かれても、その成果は制限的になるという分析が出ている。昨年9月末に開催予定だった離散家族対面が、行事を四日後に控えて急遽取り消されたのも、金剛山観光再開に対する南側政府の消極的な態度が発端になった。
チェ・ヒョンジュン記者 haojune@hani.co.kr