本文に移動

‘セウォル号惨事’生存檀園高生徒たち 法廷証言 二日目…「事故後の誤った対処でこんなにたくさん死んだのに…」

登録:2014-07-29 19:39 修正:2014-07-29 23:38
「脱出時に目が合った友達が海水に浸った姿が今でも目に浮かぶ…」
セウォル号沈没事故から生還した京畿道(キョンギド)安山(アンサン)檀園高の生徒たちが28日午前、水原地裁安山支所で開かれたセウォル号乗務員に対する公判で証言を終え、法廷を出てバスに乗り込んでいる。 安山/イ・ジョンア記者 leej@hani.co.kr//ハンギョレ新聞社

「私たちは修学旅行に行って単純に事故に遭ったのではなく、事故後の誤った対処のためにこんなにたくさん死んだのに…」

 セウォル号の沈没過程で脱出してかろうじて命をとりとめた京畿道(キョンギド)安山(アンサン)檀園高の生徒たちは、事故当時に積極的な救助活動がなされなかったために犠牲が大きくなったと証言した。 出動した海洋警察が甲板にただ立っていて船内にいた生徒たちの救助を試みなかったということだ。

 29日午前、水原(スウォン)地裁安山支所で開かれた光州(クァンジュ)地方裁判所刑事11部(部長判事イム・ジョンヨプ)審理によるイ・ジュンソク セウォル号船長など乗務員15名に対する公判で、檀園高の生存生徒たちはこのように述べた。

 4階船室に集まっていた檀園高2年のCさんは「船内に人がたくさんいると海洋警察に言ったか」という検事の質問に対して「海洋警察は上から全て見ることができる状況であったのに、状況をただ見守っていた。 海洋警察官が‘上がって来れる人は上がって来なさい’と言ったと友達から聞いた」と答えた。 またKさんも「(船室から脱出して上がってきたが)甲板にいた海洋警察はじっとしていて、ある瞬間にいなくなった」と証言し、また別のOさんは「海洋警察は甲板の外壁に立っていて、ヘリコプターに引き上げるだけだったし、生存者が脱出した出入口側に行く姿は見られなかった」と証言した。

 また、証言に立った生徒たちは、乗務員と海洋警察などの不十分な事故対処により人命被害が増えたと口をそろえた。 午前の裁判の最後に証言したOさんは「単純に修学旅行に行って事故に遭ったのではなく、事故後の誤った対処でこんなに多くの命を失ったのに、ネチズンたちの悪口が気に障る。 脱出当時に向い側にいた友達と目が合ったが、結局船から脱出できなかったその友達が海水に浸った姿が今でも目に浮かぶ…」と言って喉をつまらせた。 他の生徒も「待機していて脱出するまでに1時間程度かかったので、最初から待避しろと言っていたら、はるかに多くの人が助かった筈」と証言し「船の前に救命ボートでもあったなら飛び降りた筈なのに、一隻も見えなかった」と証言して、事故当時の救助作業がどれほど粗末だったかを生々しく証言した。

 生徒たちの法廷陳述で、これまで知られていなかった義人たちの必死の救助活動も明らかになった。 大多数の生徒たちは「おじさんたちがカーテンを外して作ったロープとゴムホースなどを甲板から下ろしてくれたおかげで脱出できた」と証言して、乗務員と海洋警察が救助に手をこまねいている瞬間にも、沈没するセウォル号で乗客どうしによる必死の救助作業がなされていたことが確認された。 特に檀園高の男子生徒S君は、船室をあっちこっち飛び回り友達にライフジャケットを投げ与え、ヘリコプターにまで乗せて多くの命を救ったと発表されたし、前日の証言台では6人の生徒たちも「1組の級長であるユ・某さんが友達にライフジャケットを着せるなど積極的な救助活動をした」と証言した。S君は脱出して命をとりとめたが、ユさんは無念にも亡くなった。 生徒たちは前日に続き、乗客を見捨てて先に脱出した乗務員に対する厳重な処罰を訴え、証言を終えた。 この日の裁判では檀園高の生存学生17人が出廷し、事故当時の状況と脱出過程を生き生きと伝えた。

安山/キム・ギソン記者 player009@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/648940.html 韓国語原文入力:2014/07/29 17:36
訳J.S(1738字)

関連記事