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[現場から] 日本、それでもかろうじて残っていた信頼まで破壊した

登録:2014-06-22 21:23 修正:2014-06-23 07:01
去る3月14日 「河野談話を修正しない」 という安倍晋三日本総理の国会答弁に対して15日、朴槿恵(パク・クネ)大統領が「良いことと考える」という反応を出し安倍総理の今回の発言が韓-日関係の正常化につながるかが注目をあびている。 写真は朴大統領が昨年10月7日、インドネシア バリで開かれた2013アジア太平洋経済協力体(APEC)首脳会議で安倍晋三日本総理(左)と並んで座り、スシロ・バンバン・ユドヨノ インドネシア大統領の挨拶を聞いている姿。 バリ/ニューシス

 日本が軍慰安婦動員の強制性を認めた1993年の‘河野談話’検証報告書を去る20日に発表し、当時の韓国政府との‘対話過程’を一方的に詳細に公開したことは国際的な外交慣例に外れるだけでなく、かろうじて残っていた韓-日間の信頼まで根本的に破壊する措置という批判が出ている。

 河野談話検証報告書を見れば、日本側は対話過程を一切秘密にすることを先に提案し、韓国側はこれを受け入れたと出ている。 それにもかかわらず、今回日本が先に‘秘密維持’という紳士協定を破ってしまったのだ。 特に、日本は両国実務者どうしの話までゴマ粒のように詳細に公開した。 また、韓国政府は河野談話の作成前に日本が先に協議を要請したと一貫して明らかにしているが、日本は今回の報告書で韓国側が先に協議しようと要請したと事実を糊塗した。

 20余年前という比較的‘最近のこと’であるのに加え、当時外交現場にいた外交官たちや慰安婦ハルモニ(おばあさん)など利害当事者が今も生存しているにも関わらず、敏感な外交内容を自分たちに有利になるよう詳細に公開したことは前例を見出しがたいほどだ。

 せいぜい見つかるのは、北朝鮮が南北関係が最悪だった去る2011年6月1日に国防委員会スポークスマン名義で南北間秘密接触過程を公開し、当時南側の接触当事者であった大統領府キム・テヒョ対外戦略秘書官らが「首脳会談開催をはやく推進しようと言い、金入り封筒まで憚り無く出して、その誰を誘惑しようと試みたのかと恥をかいた」と言ったこと程度だ。 セヌリ党が2012年の大統領選挙過程で2007年南北首脳会談の時に西海(ソヘ)北方境界線(NLL)関連対話録を公開した件もあったが、これは国内政争に関連したことだ。 それほど‘正常国家’間の外交交渉公開は想像もできないことであるわけだ。

 これに伴い、今後の韓-日外交は極端に萎縮せざるを得ないものと見られる。 信頼が崩壊し、実務者であれ高位級であれ、双方共に対話内容が公開される最悪のシナリオを予想しながら公式的に精製された発言だけをすることになるためだ。 時には水面下交渉や虚心坦懐に腹の内まで見せなければならない外交の立つ瀬がなくなったわけだ。

イ・ヨンイン記者 yyi@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/643570.html 韓国語原文入力:2014/06/22 20:15
訳J.S(1071字)

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