朴槿惠政府2期内閣をリードするアン・テヒ(59)総理候補者は、セヌリ党とは独特の縁で絡まっている。 2003年最高検察庁中央捜査部長として不法大統領競選資金捜査を指揮し、セヌリ党の前身であるハンナラ党に‘車単位の取引党’という汚名を抱かせた。
アン候補者は当時ハンナラ党の不法政治資金150余億ウォンをトラックごと受け取ったことと、企業らから集めた現金など823億ウォンの不法大統領競選資金を明らかにした。 ハンナラ党から「(当時アン中央捜査部長が)ハンナラ党にはシラミ潰しのように漁りながら、盧武鉉大統領の捜査には消極的」という糾弾の対象になった。 この過程で全斗煥前大統領の秘密資金を探し出し、これを還収して追徴金返還時効を延長するという成果もあげた。 ハンナラ党の不法大統領競選資金を暴く過程で、現役議員を続々と拘束し‘国民検事’、‘アン チャン(最高)’等と呼ばれ国民的人気を呼びもした。
検事時期にハンナラ党に背を向けたアン候補者は、去る大統領選挙過程で意外にも朴槿恵当時候補と手を握った。 朴候補がアン候補者の招聘のために二度直接会って、数ヶ月間にわたり招聘に精魂を込めたと言う。 アン候補者はアメリカ研修計画を中断し「朴候補に会い、国を愛する真正性を信じて受諾することになった。 権力不正および選挙不正など、政治腐敗に対する根絶対策を用意する」としてセヌリ党政治刷新特別委員長を務めた。 最高裁判事を退任して僅か48日後にセヌリ党大統領選挙キャンプに合流するや、民主社会のための弁護士会(民弁)が「政治中立義務違反…国民が判決を信じられるか」などの批判を浴びせ、アン候補者は「私も悩んだ部分…直接政治をするわけではない」という釈明を出しもした。 これに先立って彼は最高裁判事退任を控えて、私席で「最高裁判事はすべての公職の最後でなければならない」と話しもした。 だが、セヌリ党が大統領選挙の中でハン・グァンオク国民大統合委員長を迎え入れる過程で、当時朴候補と摩擦を醸し出した。 以後、政治の一線から離れていたアン候補者は、国務総理指名者として朴槿恵大統領と再び政治的縁を結ぶことになった。
ミン・ギョンウク大統領府報道官はこの日「アン・テヒ内定者は最高裁判事とソウル高検長、最高検察庁中央捜査部長を歴任して、不法大統領競選資金と大統領側近不正に対する聖域なき捜査等を通して所信を見せたとし、したがって今後公職社会と政府組織を改革し正常ではないものの正常化を強力に推進し、国家改造を成功裏に遂行する方だと考える」と話した。
1955年生まれのアン候補者は、ソウル大法学部在学中に第17回司法試験に合格し、当時最年少(満25才)で検事に任用された。 仁川(インチョン)・釜山(プサン)地検特捜部長、最高検察庁中央捜査本部1,3課長、ソウル中央地検特捜1・2・3部長を経た代表的な特捜通検事だ。 2006年に最高裁判事になり2012年に退任した。
ホン・ソクチェ記者 forchis@hani.co.kr