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3世継承控えた三星(サムスン)、‘白血病謝罪’に続き 無労組放棄?

登録:2014-05-21 07:15 修正:2014-05-21 11:21
戦略室役員「過去とは状況が変わり
労組設立を防ぐこともできない」
70年余 無労組経営 変化示唆
三星(サムスン)一家の3世であるイ・ジェヨン 三星電子副会長、イ・ブジン ホテル新羅社長、イ・ソヒョン エバーランド ファッション部門社長(左から)

イ・ゴンヒ会長の健康悪化を契機に
経営権継承負担を減らす動き
戦略室「社会的承認の必要性を認識」

 三星(サムスン)が3世経営体制への転換のための整地作業の一環として、白血病事態解決に積極的に取り組み、無労組経営方針の変化についても関心が集まっている。 三星側からも無労組経営方針変化の可能性を開けておくような発言が出てきており、注目される。

 20日、三星・労働界・市民社会の話を総合すれば、三星が去る14日の白血病事態に対する謝罪とともに積極的な解決意志を明らかにしたのは、イ・ゴンヒ会長の健康悪化により前倒しされることになったイ・ジェヨン 三星電子副会長を中心とする3世経営体制への転換のための事前整地作業という解釈が支配的だ。 三星がこの間、社会的に批判を受けてきた争点をそのまま放置する場合、三星3世体制への本格転換にとって大きな負担として作用するという判断に基づくということだ。 三星未来戦略室のある核心チーム長も「三星も3世体制への転換は、単純な株式持分の継承だけでなく‘社会的承認’が必要だということをよく知っている。 白血病問題の解決もそのような次元で推進すること」と話した。

 白血病問題の解決は、三星が昨年下半期以後に推進してきた変化の延長線上とも見られる。 三星は去る1月、新入社員採用制度改編の一環として、大学総長推薦制を打ち出し、2月には定年60才延長と賃金ピーク制を施行した。 これに先立ち昨年7月には、社長団会議にキム・サンジョ経済改革連帯所長を招請して苦言を聞き、昨年末には「三星が国民に愛される代表企業になるためには、どのようにしなければならないか」に関する世論調査を行った。 金属労組関係者は「三星が白血病事態に対する責任を認めれば労災事業場という烙印を捺され、国内外的に大きな打撃を受けるという憂慮があったが、むしろ社会的責任を全うする企業としてイメージを改善する、禍転じて福となすの契機になりうる」と話した。

 今や経済界の視線は三星が創業者の経営哲学を理由に70余年間守ってきた無労組経営に集中している。 無労組経営は憲法で保障された労働者の権利を遮断し、時代の流れに逆行しているという批判を受けてきた。 三星も時を合わせて無労組経営方針の変化の可能性を排除しない趣旨の発言をした。 ある未来戦略室役員は「無労組経営の趣旨は(労組の禁止ではなく)労組が必要ないほど職員の待遇をよくするということ」とし、「今は過去とは状況が大いに変わっている」と話した。 この役員は「すでに労組を作った(系列会社)事業場が継続的に増えていて、(複数労組許容など)過去とは法制度が変わっているため、労組設立を防ごうにも防ぎ得ない状況」とも話した。 また、彼は「この頃は過去のような(労組設立を防ぐための拉致・脅迫などの)事件はないではないか」として「年初の全体役員教育でも、無労組関連の部分はなかった」と付け加えた。

 こうした話を根拠に三星が白血病事態のように直ちに無労組経営放棄宣言をするだろうと断定することは困難だ。 三星未来戦略室も「(現在としては)そのような計画はない」として慎重な姿だ。 だが、三星が3世継承本格化のタイミングに合わせて労組許容を発表したり、事実上労組を容認する可能性を残しておいたものという解釈は可能だという評価だ。

 キム・サンジョ経済改革連帯所長は「三星が社会と疎通して健全な社会構成員になるために努力していることを見せるには、労組問題を解決する以外に道はない。 イ・ジェヨン副会長が公式継承時点に直接発表することもありうるだろう」と話した。 民主労総のパク・ユスン未組織非正規局長は「三星が労災と非正規職問題の解決に前向きならば、労組許容により会社が混乱に陥ったり競争力が毀損されることはないだろう」と話した。

 国内外の状況も無労組経営固守を難しくさせている。 2010年イ・ゴンヒ会長の経営復帰以後に新設された三星系列会社と非正規職の労組は計4ヶ所だ。 エバーランド労組が2011年に設立され、今年には三星SDIと三星コーニング労組が作られた。 昨年には三星電子サービスで仕事をする社内下請け労働者が労組を設立した。 労働界は近い将来、他の事業場でも労組設立が続くと見通している。 国際労働界の圧迫も強まっている。 金属労組は「最近タイとドイツで開かれた製造産別労組アジア総会と国際労総会議で三星の無労組経営と労災が核心議題として扱われた」と明らかにした。

クァク・ジョンス先任記者 jskwak@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/638169.html 韓国語原文入力:2014/05/21 01:15
訳J.S(2071字)

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