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[旅客船沈没 大惨事] 西海(ソヘ)フェリー号惨事から21年…海洋警察は何も良くなっていない

登録:2014-05-01 23:45 修正:2014-05-02 07:00
西海(ソヘ)フェリー号-セウォル号事故を比較して見れば
セウォル号、21年前の西海(ソヘ)フェリー号惨事 比較

 21年前の1993年10月10日、全北(チョンブク)扶安郡(プアングン)臨水島(イムスド)近海で西海(ソヘ)フェリー号が沈没した。 搭乗者362人中292人が亡くなった。 船は午前10時頃に沈没した。 沈没地点も陸地からわずか4.5kmの場所だった。 それでも当時救助された人々は70人に過ぎなかった。 その事件を契機に政府と海洋警察は‘救助能力を向上させる’と約束した。

 セウォル号事故で確認された犠牲者は1日現在で216人を越えた。西海フェリー号事件以後、21年の歳月が流れたが救助能力は殆ど変わらなかった。

救助艦1隻→303隻に増えたが
"大事故対策 全く無く
釣り人1~2人を救助する水準" 批判
事故関連者 司法処理に汲汲 依然
"セウォル号の構造を最もよく知っている船長
召還より現場収拾を先にさせなければ"

■‘民生海岸治安’はどこに

 西海フェリー号事故直後に開かれた国会国政監査では、海洋警察の海洋事故対処能力が俎上に上がった。 当時政界は「海難事故で毎年平均166隻が沈没し200人余りが死亡または失踪しているにも関わらず、海洋警察が保有している海難救助用装備はヘリコプター1機、海難救助艦1隻が全て」として、予算・装備の強化とともに海洋警察の役割を事故予防と救難など‘民生海岸治安’体制に改編させることにした。

 現在、海洋警察が保有している装備はヘリコプター27機、警備艦303隻だ。 中国漁船の大規模不法操業を取り締まるには相変らず足りないという指摘があるが、国内沿岸で発生する事故に対処できる能力は相当部分確保されたわけだ。

 しかし、セウォル号沈没当時、救助現場に現れたのは100t級の警備艇1隻と特攻隊員抜きで急遽出動したヘリコプター3機だけだった。 ある海洋安全専門家は「率直に言って、我が国の海洋警察は海に釣り人が一人落ちれば、助け出す程度の救助に備えているだけで、大型旅客船が短時間に沈没するような大型事故に対する対策は全く持っていなかった」と指摘した。

 海洋警察は自分たちの主な任務を、安保と警備と考えている。 海洋警察が出した最近の主要業務計画を見れば、最優先の重点推進課題は‘戦略的海洋警備システム確立で海洋主権守護’であった。 反面、セウォル号事故のような大型海難事故を予防するという計画は殆ど見当たらない。‘国民が安心できる海洋安全管理システム構築’を推進すると言うが、関連対策は沿岸海域事故予防のための安全管理用CCTV(閉回路TV)拡大、関連機関との大規模現場合同捜索・救助訓練実施など‘空念仏’に終わった。

■ 法的根拠がない海洋警察の地位はそのまま

 西海フェリー号事故発生の2年前である1991年に海洋警察は警察から分離した。 現在も海洋警察の役割と責任、権限などを明文化した別途法令は存在しない状態だ。 ある海洋学科教授は「西海フェリー号事故時は、海洋警察がスタートして間もない時であった。 まともに対応できなかったと批判をするのも困難な状況だった。 ところが、今でも海洋警察の地位は別段変わらないようだ」と話した。

■ 責任者処罰だけに没入

 西海フェリー号事故の時も検察と警察は合同捜査本部を設けた後、船長と船員が船を捨てて脱出したと見て、事故発生2日目に船長らを指名手配までした。 しかし船長と船員7人は事故から5日後に船体で遺体で発見された。 当時、国会国政監査では「大型事故が起きた後、関連者を刑事処罰することにばかり重点を置くのは問題だ。 事故原因を明らかにすることに捜査力を集中すべきだった」という指摘が出された。

 セウォル号事件でも検警合同捜査本部は直ちに船長と航海士を拘束した。 事故発生初期の捜索・救助のためには船体内部を最もよく知っている船長と船員の‘助け’が必要だったが、船長らは捜索現場ではなく調査室に行っていた。 チョ・ウォンチョル延世(ヨンセ)大防災安全管理研究センター長は「事故が発生しても一応現場をよく知っている責任者が収拾をした後に処罰することが順序にかなう」と話した。

チン・ミョンソン記者 torani@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/635439.html 韓国語原文入力:2014/05/01 20:40
訳J.S(1917字)

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