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ソン・キスク教授 「民主化補償金 寄付します」

登録:2014-03-22 00:07 修正:2014-09-05 15:40
ソン・キスク教授

78年 教授11人 国民教育憲章を批判
‘教育指標’事件で379日間拘禁
35年ぶりに再審で無罪…補償金受け取り
8年 闘病 話をすることも難しいが全南大に寄付

 小説<緑豆将軍> <巌泰島(アムテド)>の作家としても名が知られたソン・キスク(79・写真)全南(チョンナム)大名誉教授がいわゆる‘教育指標事件’の再審で無罪判決を受け、支払われた刑事補償金の全額を全南大に奨学金として寄付した。

 ソン名誉教授の家族は最近‘私たちの教育指標’事件と関連して支払われた国家の刑事補償金7367万ウォンから弁護料を除いた6962万ウォン全額を全南大に寄付した。

 ソン名誉教授は1978年、同僚のミョン・ノグン、イ・ホンギル教授らと共に‘教育指標発表’を主導して379日間拘禁される苦難に遭った。 事件後35年ぶりの昨年、再審を通じて光州(クァンジュ)地方裁判所で無罪を宣告され名誉を回復して、国家から不法受刑にともなう補償金を受け取った。 補償金は当時不法拘禁された日数を一日19万余ウォンずつに計算して算定された。

 持病で通話が難しいソン名誉教授に代わって、夫人キム・ヨンエ(77)氏は20日 「夫が普段からその事件で除籍された学生たちに申し訳ないと考え続けていた。 子供たちも父親が毎日毎日身を粉にした代価なのに、どうしてむやみに使えるかと寄付すべきだということに同意した」 と話した。 キム氏は去る17日、全南大に約定書を送った後、大学の口座に送金する方法で奨学金を寄付した。

 ‘教育指標事件’は78年6月27日、全南大教授11人が国民教育憲章を批判する‘私たちの教育指標’を共同で発表した知識人による維新反対運動を称する。 当時教授たちは人間尊重の教育、教育者の良心による教育、外部干渉の排除、拘束学生の釈放などを要求した。 この事件で教授11人が‘緊急措置9号’違反で拘束・解職され、学生30人余りが除籍・停学された。

 全南長興(チャンフン)出身である彼は、長興中・高を経て全南大国文科を卒業した。 73年から母校の全南大に教授として在職したが教育指標事件に関わり解職された後に投獄された。 80年5月、5・18民衆抗争時には市民収拾委員として参加して逮捕され、内乱重要任務従事罪で懲役5年を宣告され1年間再び服役した。

 84年に解職7年ぶりに復職した後、87年民主化のための全国教授協議会創立を主導して初代共同議長を務めた。 87年5月には韓国現代史史料研究所を設立して5・18被害者500人の陳述を整理した200字詰め原稿用紙2万5千枚に及ぶ<5・18光州民衆抗争史料全集>を発刊した。 この資料は以後に本格的に行われた‘5月抗争’被害調査と研究活動に礎石となった。 また、全南大518研究所長と民族文学作家会議議長を務めるなど活発な社会活動を行った。

 ソン名誉教授は2000年8月、全南大を定年退任した後、アジア文化中心都市造成委員長などを務めた。 8年前に倒れて傾度認知障害の診断を受けた彼は、現在まで全南和順(ファスン)に住んで闘病している。 彼は <五月の微笑>等の長・短編50編余りを書いて出すなど創作にまい進したが、この頃は健康問題で執筆活動は休んでいる。

光州/アン・クァノク記者 okahn@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/629147.html 韓国語原文入力:2014/03/20 11:43
訳J.S(1512字)

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