慶北道(キョンブクト)知事選挙に朴正熙前大統領の名前が突然登場して、静かだった選挙ムードが熱く燃え上がっている。 特別な争点なしでセヌリ党候補が無難に当選した過去の選挙とは異なり、今回は朴前大統領の問題を巡って与・野党の予備候補らが乱打戦を行っている。
慶北道知事選挙で朴前大統領が論議の中心に立つことになったのは、パク・スンホ(56)セヌリ党慶北道知事予備候補が9日 「朴前大統領が生まれた‘亀尾市(クミシ)’を‘朴正熙市’に名前を変えよう」と提案して始まった。 慶北浦項(ポハン)市長を務めた彼はこの日、慶北亀尾の朴前大統領の生家を訪問した席で 「外国でも貧困の恨みをはらした大統領として‘朴正熙学習’に熱を上げている。 亀尾市よりは朴正熙市の方が亀尾を外国にはるかによく知らせることができ、輸出にも助けになるだろう」と主張した。
これに対してノ・フェチャン(57)正義党前代表が11日、自身のツイッターに‘亀尾市を‘朴正熙市’に?、‘朴槿恵(パク・クネ) マーケティング’漸次佳境に入る’というタイトルの記事を上げて、 "代わりに‘朴正熙氏’を‘ク・ミ(亀尾)氏’に改名することは賛成です" という文を載せた。
するとパク・スンホ予備候補は14日‘朴正熙市が創造経済だ’という題名の声明書を出し "朴正熙市の提案に従北勢力をはじめとする左派の連中がSNS上で必死のあがきをしている。 独裁者の化身を神格化している北韓の‘金日成総合大学’とか‘金策市(キムチェクシ)’等に対しては何も言えない態度に鬱憤を隠すことはできない" と批判した。 彼はまた、ノ・フェチャン前代表に向かって "大衆から忘れられたくない老獪な政治家の最後の必死のあがきという感じで痛ましさまで感じる" として露骨な非難を浴びせた。
これに対し、同じ日にパク・チャンホ(48)正義党慶北道知事予備候補は報道資料を出して "セヌリ党パク・スンホ予備候補は度を越えた‘ノイズ マーケティング’を直ちに中断せよ" と要求した。 彼は "朴前大統領を称賛するだけでは足りなくて、亀尾市を朴正熙市に変えようというとんでもない話をしたので、それに機転を利かせて反論したノ・フェチャン前代表に政治家であればとうてい常識的にはできない筈の妄言を吐きだした" と批判した。更に続けて "ノ前代表に対して大衆から忘れられたくないと思っている政治家だと卑劣な攻撃をしたが、ノ前代表は代表的な進歩政治家であり、パク予備候補は浦項(ポハン)のユガン トンネルを抜けたら誰も知らないような認知度の候補ではないか”と皮肉った。
大邱(テグ)/キム・イルウ記者 cooly@hani.co.kr