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‘遺書代筆’カン・ギフン無罪、23年ぶり寃罪を晴らす

登録:2014-02-13 20:32 修正:2014-02-14 08:18
1991年‘焼身’キム・ギソル氏の遺書を代わりに書いた容疑で懲役
国科捜 キム氏の落書き帳筆跡鑑定が無罪の決定的根拠
'カン・ギフン遺書代筆事件'の当事者カン・キフン氏が13日午後、ソウル瑞草洞(ソチョドン)のソウル高裁で再審宣告公判を終えて、記者会見で所感を明らかにしている。 この日ソウル高裁は自殺ほう助容疑などで起訴され懲役3年を宣告され獄中生活を過ごしたカン氏に無罪を宣告した。/連合ニュース

 1991年に焼身自殺した全国民族民主運動連合(全民連)社会部長キム・ギソル氏の遺書を代わりに書いた容疑で懲役3年を宣告されたカン・ギフン(49)氏が23年ぶりに寃罪を晴らした。

 ソウル高裁刑事10部(裁判長 クォン・ギフン)は13日、自殺ほう助容疑で有罪が確定したカン氏の再審裁判で、カン氏に無罪を宣告した。 無罪の決定的な根拠は、国立科学捜査研究院(国科捜)がキム・ギソル氏の全国大学生代表者協議会(全大協)ノート・落書き帳の筆跡を鑑定した鑑定結果であった。

 検察は全大協ノート・落書き帳がキム氏が書いたものではないと主張した。裁判所はこれを検証するために国科捜にキム氏の普段の筆跡と全大協ノート・落書き帳が同一かを鑑定依頼した。 国科捜は鑑定の結果回答で 「キム氏の普段の筆跡は正字体だが、全大協ノート・落書き帳は草書体であるため鑑定が難しい」としたが、「比較可能な部分を探して鑑定した結果、キム・ギソル氏の普段の筆跡と全大協ノート・落書き帳の筆跡に7ヶの類似点を発見した。 両者が同一筆跡である可能性を排除することはできない」と明らかにした。 事実上、キム氏の筆跡と同一と見たのだ。

 これに先立って裁判所は、キム・ギソル氏の遺書と全大協ノート・落書き帳の筆跡が同じだという‘真実・和解のための過去事整理委員会’ (真実和解委)調査結果を受け入れたので、国科捜鑑定の結果で全大協ノート・落書き帳がキム氏の筆体と認定された以上、遺書はキム氏が書いたという事実が立証されたわけだ。

 遺書代筆事件は盧泰愚大統領執権当時、政府の失政と公権力の暴力に抗議する大学生・労働者の焼身が相次ぎ、検察が1991年5月8日に焼身自殺した全民連社会部長キム・ギソル氏の遺書を同僚のカン・ギフン氏が代筆し、自殺をほう助したという容疑で起訴することによって公安政局を作り上げた事件だ。 カン氏は1992年7月、最高裁で有罪判決を受けた。

 だが、2007年に真実和解委が "遺書はキム・ギソル氏が書いたもの" という調査結果を出し、カン氏に対する再審を勧告した。 2009年ソウル高裁が真実和解委調査結果を認め、再審を決めるや検察がこれに従わず再抗告し、最高裁は3年にわたり引き延ばし、2012年10月に再審開始を確定した。

 当時、最高裁は1991年捜査当時、国科捜が筆跡鑑定を鑑定人1人に任せていながら数人が共同で鑑定したかのように法廷で虚偽証言した事実を再審理由に上げた。だが、真実和解委の調査結果をそのまま信じるわけにはいかないとし、さらに審理を行えとした。

 これに伴い、再審裁判では真実和解委の調査に参加した鑑定人、全大協ノート・落書き帳を発見したキム氏の友人ハン・某氏らが証人として出廷し、国科捜が全大協ノート・落書き帳とキム氏の普段の筆跡を鑑定した。

イ・ギョンミ記者 kmlee@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/623984.html 韓国語原文入力:2014/02/13 16:14
訳J.S(1537字)

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