釜山(プサン)韓進重工業の労組弾圧に抗議して起訴されたキム・ジンスク(53)全国民主労働組合総連盟釜山本部指導委員らの国民参加裁判で、検察と弁護人が熾烈な法廷攻防を行った。 キム指導委員らは昨年1月、韓進重工業の労組弾圧に対抗して命を絶った労組幹部チェ・ガンソ(当時35才)氏の棺を影島(ヨンド)造船所に運び込み座り込みを行い、一般交通妨害、共同住居侵入の疑いなどで不拘束起訴された。
11日、釜山地方裁判所刑事6部(裁判長 シン・ジョンヨル)審理で陪審員9人が参加した中で開かれたキム指導委員ら6人の国民参加裁判で、検察と弁護人はキム指導委員らが800人余りと共にチェ氏の棺を影島造船所正門前の焼香所に運ぶため街頭行進を行ったが、それを警察が阻んだことが正当か否かを巡り鋭く対抗した。
キム指導委員らは事前に警察に集会申告をしたが、警察が行列の前後で防ぎ立ち、そこでやむをえず影島造船所西門の側文を壊して造船所内に入ることになったと主張した。 検察は当時、車壁で街頭行進を阻んだ影島(ヨンド)警察署幹部を証人として立て、「集会主催側が事前に警察に集会申告をした時、遺体を持って街頭行進をするという内容はなかった。遺体が入った棺を見た遺族と参加者が興奮すれば、交通混雑と韓進重工業の財産損失などが起きる恐れがあるので、警察官職務執行法に則り正当に制止した」と主張した。 また、検察は「警察に対抗して暴力を行使し、影島造船所内に入り営業を妨害したので正当行為とは認められない」と主張した。
弁護人は「事前集会申告を出して平和的に街頭行進をした参加者たちを警察が阻んだことは適法な公務執行ではない」と反論した。 弁護人は「遺体が入った棺を持ったからといって、交通がさらに混雑したり財物損壊などの不祥事が起きると考えたのは、警察が過度に解釈したものだ」と主張した。
釜山/キム・グァンス記者 kskim@hani.co.kr