本文に移動

「使用済核燃料再処理工場、原発よりはるかに危険」

登録:2014-01-23 21:56 修正:2014-09-05 17:53
核廃棄物無毒化ができないならば
原発稼動を止めることだけが解決法
"それでも保管するなら東京・ソウルに"
小出裕章(65)日本京都大原子炉実験所助教

"使用済核燃料再処理工場を一日だけ回しても、原発一基(100万kW級)から1年間に出てくる分量の放射性物質が排出されます。" 小出裕章(65)日本京都大原子炉実験所助教(韓国の大学での助教授と類似)は23日、ソウル貞洞のフランチスコ教育会館で開かれた記者懇談会で、韓国と日本が原発稼動を直ちに止めなければならない最も大きな理由は使用済核燃料の危険性にあると警告した。

 日本で最も注目される脱核運動家に挙げられる彼は‘子供たちに核のない世の中を国会議員研究会’と‘脱核法律家グループ ひまわり’の斡旋で韓国を初めて訪問し、22日には国会で‘福島原発事故の収拾は可能か’という主題で講演した。

 使用済核燃料は原子炉で核分裂に使われて残った核廃棄物の一種で、取り出したばかりの使用済核燃料の放射能は人体に露出すれば致命的な結果を生む。 現在、使用済核燃料は各原発内に保管されており、2016年古里(コリ)原子力発電所を皮切りに飽和状態になる。

 小出助教は「原子力発電所を稼動する時は外側に出てくる放射能を低水準にするべく統制できるが、プルトニウム抽出のための再処理をすることになれば燃料棒に閉じ込めておいたペレットを細かく切断する過程ではるかに多くの放射性物質が排出されざるをえない」と話した。 日本は使用済核燃料に対する再処理方針を決めた後、青森県に六ヶ所村再処理工場を作ったが、頻繁な事故で未だ正常稼働出来ずにいる。 この工場が稼動すれば、毎年使用済核燃料800tほどが再処理される。 この間、日本は英国とフランスの再処理工場に委託してプルトニウム45tを抽出したが、これは長崎原子爆弾を基準として4000個分に相当すると彼は説明した。

 再処理をしなくとも、現実的に使用済核燃料の処分にふさわしい場所はないと話した。

 彼は 「マンハッタン計画(世界最初の核爆弾製造プロジェクト)以後72年が過ぎたが、核廃棄物を無毒化できる解決方法は見つけらなかった」と強調した。 処理方案を見いだせないまま積み続けるばかりだったという話だ。 「この間あらゆる方案がみな出てきました。 ロケットに積んで宇宙に送るとか、南極に埋立てるとか、深海に埋めてみようとかいう方案が出てきたが、どの方法でも安全性が保障されません。 日本政府は地中奥深いところに穴をあけて埋めたてようと言っているが、地震の多い国では安全に保管できる土地などありません。」 小出助教は「(韓国と日本で)各原子力発電所の保存水槽などに飽和状態になった使用済核燃料を保管する所を見つけるのは遠くない未来のことだ。 いったいどこに作るべきかと問われれば、東京や大阪など電気を多く使う大都市が受け入れなければならない」と話した。 韓国ならソウルに作らなければならないという意味だ。

 小出助教は 「福島原子力発電所4号機には1331束の使用済核燃料があって、これは広島投下原爆を基準として1万4000発分に相当する放射能を抱いているわけだ。 (余震などで)使用済核燃料が入っている保存水槽が崩壊すれな途方もない事故につながるだろう」と憂慮した。

 彼は福島原子力発電所1~3号機の放射能汚染水漏出も深刻な状況だと診断した。「日本政府と東京電力は30~40年以内には収拾がつくと見ているが、おそらく100年以上はかかるだろう」と話した。 原子炉内に冷却水を毎日400tずつ入れているが、その過程で汚染水が生まれ続けるしかないということだ。 彼は「韓国でも相当期間にわたって水産物を食べる時は、セシウム137(放射性物質)に注意を注がなければならない。原子力を信奉する人々は低水準の汚染は安全だ、被爆量が少なければ大丈夫だという宣伝をしているが、残念なことに放射能や被爆に安全という概念は適用されない」と語った。

ファン・ボヨン記者 whynot@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/621206.html 韓国語原文入力:2014/01/23 20:47
訳J.S(1783字)

関連記事