政府が10日 「金剛山(クムガンサン)観光が具体的に(北から)提案されれば、再び議論することができる」として、北韓に離散家族対面を再び促した。だが、北韓が要求している金剛山観光の再開と関連して‘離散家族問題とは分離して対応する’という政府の既存立場は維持した。
キム・ウィド統一部スポークスマンはこの日、定例ブリーフィングで「北韓側が本当に南北関係の改善を望むならば、口だけで人道主義事業を主張するのでなく、今からでも我が方の離散家族対面再開提案に誠意ある姿勢を見せることを再度促す」と話した。 キム スポークスマンは「離散家族対面は、南北関係改善のために新たな契機となる第一歩」と強調した。
前日の9日、北韓は朴大統領の‘(旧)正月離散家族対面’提案(6日)を拒否しながら、「南側で変わったことが起きたわけでもなく、我々の提案も皆一緒に協議する意志があるならば、良い季節に向かい合って座ることができるだろう」と話し‘金剛山(クムガンサン)観光再開’を暗黙的に要求した経緯がある。
キム・ウィド スポークスマンは続けて「南北間で日程が協議され、金剛山観光が具体的に(北から)提案されれば、再び議論することができる」と話した。 キム スポークスマンは但し 「(離散家族と金剛山)二つの問題は別個の事案なので分離推進するという方針には変わりがない」と話した。先ず南北が朴大統領の提案した(旧)正月離散家族対面問題を解決するための真剣な対話をして、北韓の関心事である金剛山観光再開問題はこれとは別の場で扱わなければならないという既存の立場を再確認したのだ。
そのため北韓も直ちには特別な立場の変化を見せはしないものと予想される。 互いに利害関係が異なる懸案に対して、どちらも譲歩しないでいるためだ。 昨年9月にも南北は離散家族対面行事をわずか4日後に控えた状況で、金剛山観光会談日程に異見を示したあげく、対面行事を無期限延期したことがある。 統一部当局者は「北韓は金剛山観光会談ができてこそ離散家族対面ができるということで、我々は別個の事案であるだけに分離して処理しなければならないという立場だ。 現在としてはこのような異見を狭められずにいる」と話した。 離散家族対面と金剛山観光再開を巡る南北間の神経戦で南北関係の改善は当分難しいものと展望される。
政府はまた、最近紛らわしい対北韓メッセージを発信し、南北関係をさらに難しくしているという批判を受けている。 政府の対北韓メッセージは、大統領と統一部、国家情報院、外交部などがそれぞれ異なる声を出している局面だ。 朴槿恵大統領が6日の新年記者会見で 「離散家族対面を提案」し、その翌日には政府当局者は韓・米外交長官会談の後 「北韓の変化を誘導する」という要旨の発言を記者たちにした。 また、統一部は大統領提案の3日前に外交部・国家情報部などと議論した後 「南北関係を改善しようという北韓の真正性に疑問に感じる」という内容の公式立場資料を出した。 チョン・ウクシク平和ネットワーク代表は「朴槿恵大統領が離散家族対面を真に願うならば、政府の声を一つに整理しなければならない」と指摘した。
チェ・ヒョンジュン記者 haojune@hani.co.kr