朴槿恵(パク・クネ)大統領が就任1年余ぶりに用意した初めての記者会見は、80分間余り進行された。 だが、その内容は地味で平易なものだった。 朴大統領は自身が提示した国政運営方案を説明することに集中し、大統領選挙介入特検など山積した懸案に対する質問にはこの間の主張を繰り返すばかりだった。
大統領府が記者たちの質問内容を事前に通報させて進行されたこの日の記者会見は‘経済’に集中していた。 朴大統領は父親の朴正熙大統領の‘経済開発5ヶ年計画’を連想させる‘経済革新3ヶ年計画’を持ち出して‘所得4万ドル時代’の青写真を提示した。 朴大統領はまた、最近<朝鮮日報>が報道した統一の経済的効果を挙論して "一言で言えば統一は大当たり(経済効果が大きい)" という表現を使いもした。 答えがあらかじめ準備されていたことを勘案すれば‘大当たり’は計算された表現と見える。 記者会見後‘大当たり’を引用した報道があふれた。
朴大統領は国家機関による大統領選挙介入疑惑と特検導入に対する意見を尋ねる質問には "国力消耗" 、 "裁判中" という既存の発言を繰り返し、500字余りの言葉で短く返事を終えた。 その反面‘業務後には官邸で何をしているか’という個人生活と関連した質問には、大統領府で飼っている珍島(チンド)犬の名前まで付け加えて意欲を見せた。 「(官邸で)報告書を見ている時間が一番多い」と暗示した朴大統領は「長官・首席といつも通話して決めている。 国政の最終責任を負っていることを思えば、個人の時間を持つ余裕がない」と話した。 朴大統領は「個人的なことと国政が別々にあるわけではない。 寝ても覚めても考えて、そこから楽しみややりがいを感じている」として 「あまりに息の詰まる仕事だと考える方もいるでしょうが、その方は他の方式で暮らしていってもかまわないが、少なくとも私はそのような形で今国政に臨んでいる」と話した。
大統領府報道官2席が共に空席という異例的な状況で開かれた記者会見の司会はイ・ジョンヒョン大統領府広報首席が務めた。 イ首席は朴大統領が前後の説明なしに‘セロミ(新しいこと)’、‘ヒマンイ(希望)’の話を持ち出すや、 「官邸ですくすくと育っている珍島(チンド)犬の名前」と詳しい説明をしたりもした。 一方、外信記者たちの間からは、大統領府が自分たちを‘脇役’にしたという不満も出ていた。 この日の会見には大統領府が外信記者クラブ所属記者たちとは‘別に招請’したと言うロイター通信と中国官営中央電視台(CCTV)記者にだけ質問権が与えられた。 これを知りえなかった日本の記者など一部外信記者たちは、会見中ずっと手をあげて質問機会を要請しもした。 これについて現在の韓・中・日関係が記者会見にも反映されたのではないかという話が出ている。
朴大統領は記者会見後、大統領府記者室を訪ねて、出入り記者たちといちいち握手をした。 疎通が足りないという評価を意識した対言論行動と解説される。 朴大統領はここでも珍島犬に言及して 「子犬たちと一緒に会える機会があったらいいですね」などと話した。
キム・ナムイル記者 namfic@hani.co.kr