"密陽(ミリャン)住民の大部分が補償を受け取り送電塔工事に同意することで韓電と合意したとマスコミではそう言ったが、実際に密陽に来てみるとマスコミの報道とは余りに違っていて驚きました。 これほど多くの年配の方々が寒さに耐えて戦っているというのに、どうしたらそんな報道ができるのでしょうか?" 慶南(キョンナム)密陽市(ミリャンシ)の超高圧送電塔建設に反対して命を絶ったユ・ハンスク(71)氏の密陽市 三門洞(サンムンドン)の市民焼香所を去る28日に訪問した大学生チョ・某(22・女)氏は30日 「フェイスブックなどに密陽の真実を広く知らしめる」としてこのように書いた。
密陽送電塔葛藤が結局、年を越して新年まで続くものと見られる。 30日で韓国電力公社が密陽送電塔工事を再開して91日になった。
‘密陽765kV送電塔反対対策委員会’の集計によれば、10月1日の工事再開以後、警察との摩擦で負傷したり倒れた住民は88人に達する。 ユ氏が去る6日に亡くなり、一週間後の13日にはクォン・某(51・女)氏も自殺を図ったが幸い命をとりとめた。 慶南地方警察庁は今までに負傷した住民は50人で、住民たちを阻んで負傷した警察官も31人に達すると明らかにした。
警察の調査を受けた方は、密陽住民37人、市民社会団体会員11人など計48人だと対策委は集計した。 警察は住民36人、いわゆる‘外部勢力’13人、送電塔施工業者職員2人など計51人を調査したという。
送電塔工事再開以後に亡くなったり負傷した人が80人を越え、警察の調査を受けた人も50人内外に達している。 それでも工事に反対する住民たちの送電塔建設阻止の意志は屈する兆しが見られない。
送電塔建設予定地である密陽市 府北(プブク)・上東(サンドン)・山外(サンウェ)・丹場面(タンジャンミョン)の4ヶ面には住民たちの座込み場が11ヶ所ある。 府北面(プブンミョン)位良(ウィヤン)村と平畑(ピョンバッ)村の住民たちは府北面位良里山50番地127番送電塔が建設予定地に座込み場を建て工事を阻止している。 韓電は4ヶ面に建設する送電塔52本の内、30日現在22ヶ所で工事を繰り広げ、5ヶ所で完工したと明らかにしたが、これらの工事現場はほとんどが住民の接近が困難なところだ。
平畑村の住民イ・ナム(70)氏は「補償は必要ないという住民たちに、なぜ無理に補償金を受け取れと言うのか。 私たちはお金で売られる植民地奴隷ではない」と声を荒げた。 イ氏の夫人ハン・某(66)氏は、去る26日に警察と小競り合いの末、倒れて病院に入院している。 位良村の住民ソ・ジョンボム(55)氏は「韓電は765kV送電線から発生する電磁波は人体に有害な水準ではないと言う。 それではなぜ住民たちに補償をしようと言うのか。 私たちは最後まで送電塔工事を阻止する」と話した。
送電塔建設に反対して命を絶ったユ氏の葬儀室が整えられた市民焼香所は、住民たちが村別に交替で守っていて、全国から訪れる弔問客の足が絶えることなく続いている。 焼香所を守るユ氏の長男(45)は 「密陽市長が焼香所を自主的に撤去しなければ行政代執行を通じて強制撤去すると言っているが、理解できない。 密陽市は密陽市庁前に焼香所を設置できるようにしなければならず、送電塔事態と父親の死に対する責任を認めなければならない」と話した。
密陽/文・写真チェ・サンウォン記者 csw@hani.co.kr