新規事業者が水西(スソ)発KTX(高速鉄道)を運営する場合、コレイル(KORAIL)が年1417億ウォンの純損失を甘受しなければならないものと推算された。 コレイルの既存KTXの売り上げが毎年5000億ウォン余り減少する上に、新規事業者を通じて得られる純収益の増加分は年間119億ウォンに過ぎないためだ。民営化の高価な費用をコレイルが肩代わりするわけだが、コレイルは全国鉄道労働組合ストライキ2日目の10日、予定通り理事会を開いて新規会社の設立を議決した。
同日、国会国土交通委員会所属のパク・スヒョン議員室(民主党)を通じて入手したコレイルの理事会報告文書を見ると、新規事業者の運営によって減るKTXの売上減少額は5120億ウォンにのぼることが分かった。 KTX運営の営業利益率30%を適用する場合、年間の純損失は1536億ウォンに達する。消費水準が高い江南地域の需要層を新規事業者に奪われて、コレイルは赤字幅が増えるだろうという予想が現実化しているわけだ。 この文書はコレイルが、新規会社の設立に伴い、関係機関に委託していた影響評価報告書の要約と推定される。
需要層減少による損失を車両賃貸収益などで埋められるという期待も捨てなければならないものとみられる。この文書は、車両レンタル料(521億ウォン)、整備収益(1104億ウォン)、共用駅使用料(233億ウォン)など新規事業者に対する資産委託又は用役・サービスの提供による収益も同時に分析した。しかし、減価償却や人件費、資本調達に伴う利子費用などを除けば、コレイルが新規事業者から得られる純収益は年間119億ウォンに過ぎなかった。 これについて文書は「コレイルが1年に負担する純損失は1417億ウォンに上る」と評価した。 国土交通省は当初「鉄道競争体制導入はコレイルの経営正常化のためのもの」と明らかにしてきた。
文書はしかし、一部職員の転職による人員効率化、優良系列会社の確保などを期待利益に挙げた。また、新規事業者か入ることでコレイルの経営が悪化する場合、政府が財政を支援する根拠を作ったという点で、最小限の安全弁も設けていると自評した。特に文書では「政府方針未履行の場合、経営評価、資産の返還、管制権移管、分割の加速化など、波及効果が大きい可能性があり、開通予定の新規路線のKTX運営から排除されることもあり得る」と言及した。KORAILが政府の無理強いに耐えられず、「泣き面に蜂」で新規事業者を設立したという状況が読み取れる。
このような経営影響評価の結果から、政府が掲げた民営化防止策の実効性が落ちるという指摘も出ている。政府とコレイルは「今後公社の営業利益が黒字に転換される場合、毎年10%以内で持分率を高めることができる」という合意条項を明らかにしている。 公社の支配力を高めて民営化を防ぐという説明だった。しかし、毎年赤字を記録しているコレイルが年間1417億ウォンの純損失を抱えた場合、営業利益の黒字を記録する可能性は薄い。 また、国民年金基金など公的資本が民間に持ち分を渡すことができないように定款に明示することにした防止策についても、信託又はファンド形態での投資の場合には無用の長物になる恐れがあるという指摘も出た。社会公共研究所のパク・フンス客員研究委員は「最近、公的資金投資で危険を分散させるために信託又はファンドを構成する場合が多いが、資本構成を変えて事実上の持分譲渡がなされた場合、新規法人はこれを確認する手立てがない」と述べた。
一方、警察は同日、9日にコレイルが告発した労組関係者の召喚通知を同時多発的に進行した。コレイルがスト初日の参加者全員を職位解除したのに続く異例の強硬対応だ。 パク・スヒョン議員は「国民の足を人質にしているのは、鉄道労組ではなく朴槿恵(パク・クネ)政府」として「今からでも政府、政界、市民団体、専門家、鉄道労組などすべてが参加する社会的論議機構を構成して、韓国鉄道産業の公共的発展方策を議論しなければならない」と述べた。
ノ・ヒョンウン記者goloke@