本文に移動

国家情報院職員イ・ヒチョン氏‘身分洗濯’なぜ?

登録:2013-11-20 22:03 修正:2013-11-21 07:48
将兵を相手に‘従北教育’スター講師
サイバー心理戦が始まった2009年
‘パンデセ(反大韓民国勢力)の秘密’出版…資料に使用
‘身分隠して活動’不純な内心
軍、イ氏の身分を分かっていながら‘知らぬ振り’
国家情報院職員ではないかのように‘身分洗濯’をした現代思想研究会イ・ヒチョン副会長が、昨年6月坡州市(パジュシ)烏頭山(オドゥサン)展望台で現役軍人を対象に安保講演をしている。 講義の主題は '6・25韓国動乱(韓国戦争)と従北勢力' だった。 国防広報院提供

 イ・ヒチョン氏は‘従北教育’分野ではスター講師であった。 2012年上半期、陸軍安保講演回数1位だ。 安保講演合計155回の内48回を彼が講演した。 政訓教育を担当する部署では‘従北教育’といえば‘現代思想研究会’副会長イ・ヒチョンを挙げる。

 去る10月、陸軍本部国会国政監査の現場ではイ・ヒチョン氏の身分を巡る論議が起きた。

 "現役国家情報院職員が身分を隠して教育をしたのですか?" (アン・キュバク民主党議員)

"身分を隠したかは確認できませんでした。" (イ・ボンウ陸軍本部政訓広報室長(准将))

 国会国防委員長であるユ・スンミン セヌリ党議員が直接乗り出した。 "現役国家情報院職員が身分を隠して教育をしたのですか? なぜ返事できないのですか。"

 イ・ボンウ室長は 「現代思想研究会で仕事をする人と見ています」と答えた。 嘘だった。 国防部が去る10月、国政監査の時アン・キュバク議員に提出した資料を分析してみれば、2011年6月24日、イ・ヒチョン氏は京畿道(キョンギド)楊州市(ヤンジュシ)近隣の陸軍65師団で‘国家情報院安保教授’という肩書で‘大韓民国の前に置かれた現実’という講演をした。 師団幹部を対象にした講演で、自身の身分が国家情報院要員であることを明らかにしたのだ。 国防部関係者は「イ・ヒチョン氏が国家情報院職員ということは国防部や合同参謀に勤める政訓担当幹部ならば皆が知る事実だった」と話した。 イ氏が65師団教育をした当時、合同参謀公報室長だったイ・ボンウ政訓広報室長はイ・ヒチョン氏が国家情報院要員であることを知っていた可能性が大きい。

 それでもイ室長がイ・ヒチョン氏の身分を努めて隠そうとした理由は何だったのだろうか。 イ氏は<パンデセの秘密>という本の著者としても知られている。 ‘パンデセ’とは‘反大韓民国勢力’の略語だ。 この本は国家情報院と軍が去る大統領選挙当時に‘サイバー心理戦’という美名の下に政治に介入する過程で理論的土台になったとのことが軍関係者の説明だ。 この本の著者は‘現代思想研究会’となっていて、イ氏はこの団体の副会長だ。 イ氏は2011年に現代思想研究会と北韓人権学生連帯が主催した特講で本の著者であることを公開した経緯がある。

 "左傾勢力を如何に多く醇化させ大韓民国勢力に、進んで右翼勢力にするかが大韓民国体制の安定有無を計る基準になる。" ‘パンデセの秘密’に出てくる文だ。 イ氏はこの本で‘ろうそく集会’に参加した人々を‘従北’勢力と規定し、大韓民国勢力、右翼勢力に‘醇化’させる対象だと目星をつけた。 イ氏のこの本は報勲処、国防部、統一部、行安部(現 安全行政部)等に広く配布された‘従北教育DVD’の根幹になった。 また、5000回を越えて各種‘従北教育’講演資料としても使われた。 心理戦という名前で政治コメント・ツイッター活動を繰り広げた軍サイバー司令部要員にとってこの本は指針の役割をしたと見られる。 国防部調査本部の捜査を受ける過程でサイバー司令部要員は自分たちの政治コメント・ツイッター活動を犯罪として認識するよりは従北勢力を懲らしめる正当な行為だったとの認識を表わしたと伝えられた。

 イ氏が本を出版したのは2009年4月だった。 軍がサイバー心理戦専門担当部署を置いて本格的にポータル、掲示板などのコメント作業と共にSNSを活用した世論戦を始めた時期とほとんど一致する。

 国家情報院心理戦団に所属して政治コメントをしたキム・某氏、軍サイバー司令部所属イ中士(訳注:中士は旧日本軍の軍曹に相当)、国家情報院所属安保講師イ・ヒチョン氏の共通点は、自分たちの身分を隠すことに相当努めたという点だ。 正当且つ堂々とした行為だとすれば、あえてそうする理由はなかっただろう。 そして彼らの嘘は結局尻尾を捕まれた。

ハ・オヨン記者 haha@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/612023.html 韓国語原文入力:2013/11/20 20:44
訳J.S(1982字)

関連記事