法務部は18日、監察委員会を開いてユン・ソギョル驪州(ヨジュ)支庁長などに対する最高検察庁の懲戒同意案を検討する。 続いて遅くとも今月中には検査懲戒委員会を開いて懲戒強度を確定する。 検察総長は空席だが、‘首脳部’の意は最高検察庁監察ですでに確認された。 国家情報院大統領選挙介入疑惑特別捜査チーム長だったユン支庁長には停職、副チーム長だったパク・ヒョンチョル部長検事には減給の重懲戒だ。 ‘捜査をやめたら…’という上司の意を理解し敢えて問題にすることなくありのままに捜査をしたことに対する罰だ。‘状況をよく伺って話をよく聞け’と組織全体に警告したことになる。 懲戒案は‘組織安定’のために急いで終えられる展望だ。
来週あるいは今月中にはキム・ジンテ検察総長候補者の就任も予定されている。 キム候補者は国会人事聴聞会で 「検察の政治的中立を必ず実現する」と誓ったが、片方では「検察規律を正しく立て直すこともまた重要な当面の課題」 と話した。 業務に頑固な彼の性分ならば、上層部ラインも不安だろうが、一線捜査検事も色々な指示と干渉を多く受ける。 検事長、部長および平検事人事もまもなくあるという。 検乱事態などで火が点いた検察組織内の‘不安要素’らはこのような人事過程で分散・調整・縮小されるだろう。 当面の関心はユン支庁長のように‘一癖(根性)ある検事’たちがどこに配置されるかだ。 そのようにして検察が新たに陣容を組めば、あたかも何事もなかったかのように新しい出発ができるのだろうか。
チェ・ドンウク前総長の凄惨な辞退を体験しながら、検察組織は権力の‘逆鱗’に触れれば誰も安全を保証されないということを目撃した。 もう検察の首脳部は総長よりさらに上層部ラインになった。 そのように感じる。 その上層部ラインが願う検察の姿は、少なくとも今回の国家情報院事件特別捜査チームではないだろう。 上部の内心を情深く慮る検察、権力の利害を見回して知らない素振りもし、追い抜いてかゆいところも掻いてくれる検察、必要ならば無理矢理にでも刃物を振り回す検察が理想かもしれない。 そのような検察像を維新時代や第5共和国に求める必要もない。 ついこの前の李明博時代の検察は権力の利害に合わせて法律的に無理な起訴を日常茶飯事に行った。 犯罪疑惑に目をとじて、後日に特検などの再捜査対象になったのも幾つもある。 それほど顔色を伺うのに長けていた検事たちはあちこちに健在だ。
‘馴染んだ過去’への復帰が容易だとは言えないだろう。 事件を歪曲・縮小・隠ぺいした検察の過去の歴史はすでに人々によく知られている。 自然生態系で保護色や偽装色、托卵など動物のあらゆる‘欺瞞’が発展しながらそのような欺瞞を看破する相手の動物の能力も共に進化するように、検察の暗い歴史から人々も学習したことが多い。 検察捜査の意図と背景を問い詰めて、捜査発表時点の政治的脈絡を疑うなど今の雰囲気も、結局は過去の検察が自ら招来したものだ。
中立を大言壮語するならば、試験台は目前に迫っている。 検察は昨日、南北首脳会談会議録廃棄疑惑事件の捜査結果を発表したが、会議録流出疑惑は未だに捜査中だ。 1年前の公開演説では会議録をだらだらと読み下しておきながら、今になって 「‘チラシ’で見た」 と言って流出疑惑を否認したキム・ムソン セヌリ党議員の話をそのまま受け入れるならば、政治権力の嘘を検察が復唱することになる。 検事長の捜査中断圧力はなかったと言いながら、あろうことかその指示に応じなかったからと捜査検事を懲戒する矛盾をそのままゴリ押ししている点も欺瞞に他ならない。
そのような欺瞞は大きな代価を払うことになるはずだ。 英国の生命倫理学者であるジョナサン グラバーは‘権力をにぎっている人々の嘘’について、このように話した。 "短期間の利益だ。 直ちに発覚する危険は避けられる。 しかしこのような宣伝インフレーションで官僚の信念体系はますます現実から遠ざかることになり、もはや強圧や嘘なしでは維持が難しくなる。" スターリンの暴政に対する話だが、恐ろしいことに私たちもまたその道を進んでいる。
ヨ・ヒョンホ社会部先任記者 yeopo@hani.co.kr