国家情報院の大統領選挙介入を糾弾して灯されたろうそくが‘国家機関の総体的大統領選挙介入’に対する怒りに拡大しつつある。
26日午後7時、ソウル駅広場で‘国家情報院政治工作大統領選挙介入真相および縮小・隠蔽疑惑糾明のための市民社会時局会議’(時局会議)が主催した第17次汎国民ろうそく文化祭には1万5000人が集まりろうそくを掲げた。 気温が大幅に下がった秋冷の中でも先週に続き1万人を越える人々が集まったわけだ。 警察は集会参加者数を2500人と推算した。 この日広場に用意された舞台後方にも会場に入りきれなかった市民200人余りが集まり集会を見守った。
当初、国家情報院の不法選挙介入を糾弾した声は、軍など他機関の介入情況が続々と明らかになる中で総体的な不正を明らかにしなければならないという叫びに拡大した。 国家情報院をはじめとして国軍サイバー司令部、国家報勲処、行政安全部(現、安全行政部)までが昨年の大統領選挙前に野党を‘従北’に追い込む世論操作をしたという疑いが相次いで提起されたことによる。
軍人として33年服務して元士(訳注:准尉の下、上士の上)で転役したシン・ジェヒョン(67・京畿道(キョンギド)、驪州(ヨジュ)市)氏は「大統領令で作った軍人服務規律を見れば、軍は政治に介入できないとなっているのに、それも守らずに軍隊だとは言えない。 本当に国を愛する軍人ならば(世論操作)コメントをするのではなく、今ここに出てきてこそ当然ではないか」と話した。
この日の集会ではマフラーと手袋、厚手のコートを着用したり、ホットパックを準備するなどあらかじめ寒さに備えて出てきた市民の姿が多かった。 市民たちは‘国家情報院でも足りなくて国防部までも選挙介入’、‘国家情報院全面改革’、‘不法当選 朴槿恵(パク・クネ)下野’等の手立て札を持ち、国家機関による世論操作と朴槿恵(パク・クネ)政府の沈黙を批判する声を強めた。
中学生の娘と共に京畿道(キョンギド)一山(イルサン)からろうそく集会に参加したチョ・ウンファ(46・女)氏は 「ユン・ソギョル特別捜査チーム長が捜査を指揮する際に外圧がかけられたことに対して容認できない。 また、朴槿恵大統領が一貫して沈黙を続けていることにも怒りを感じる。 いくら小さな団体でも、問題が生ずればリーダーが責任を負うものだが、国民がこのように出てきてろうそくを掲げても知らぬフリで一貫するならば、リーダーとしての資格がないということではないのか」と話した。
参与連帯イ・テホ事務局長は舞台に上がって 「政府が国民の予算で組織的に選挙に介入したとすれば、その選挙は不公正な選挙、不正選挙だというのが常識で憲法が定めた基準」としながら 「米国のウォーターゲート事件が当初のニクソン再選委員会の問題からニクソン大統領の問題に拡大したように、今や国家情報院問題が朴槿恵(パク・クネ)大統領自身の問題に拡大している」と話した。
‘労働者連帯 タ・ハムケ(みな一緒に)’キム・ジユン活動家も舞台に上がって「この事件をこれ以上‘国家情報院ゲート’と呼ぶ理由はなくなった。 ‘総体的不正選挙ゲート’であり‘朴槿恵(パク・クネ) ゲート’と呼ぶべきではないか。 軍とあらゆる国家機関が朴槿恵(パク・クネ)大統領作りにこぞって立ち上がり、不正と腐敗を犯したということが満天下に明らかになっているのに、政府は事件をどうにか覆い隠そうと国家情報院捜査チーム長に公安検事を任命し、自分の前進に障害物となっている労働者の抵抗を弾圧している」と話した。
この日のろうそく文化祭には、朴槿恵(パク・クネ)政府の公約破棄と労働弾圧を糾弾する市民社会団体と民主労総組合員も参加した。 これに先立って民主労総は同じ場所で政府の労働弾圧を糾弾する決意大会を開いた。 民主労総は大会で「全公務員労組、全教組など労働組合がまるごと抹殺される今、団結しなければ野蛮はここで終わらないだろう。 新自由主義政策と社会全般の保守化を押しつける現政権は民衆の逆攻勢に直面するだろう」と宣言した。
キム・ヒョシル、イ・ジェウク記者 trans@hani.co.kr