朴槿恵(パク・クネ)大統領が再び主要国政懸案に口を閉ざし、長い‘沈黙モード’に入った。 不利だったり刺々しい懸案に火が点くたびに‘経済活性化’を強調し、事案の核心を避け、国会発の論争を百害無益な政争と罵倒する対応を繰り返している。
朴大統領は22日午前、大統領府で開かれた閣僚会議で最近波紋が大きくなっている国家情報院選挙介入事件、これと関連した捜査外圧などには全く言及せず、会議時間中一貫して景気回復などを力説した。 前日、国会法制司法委員会国政監査で国家情報院事件を捜査してきた特別捜査チーム長が法務部の外圧と国家情報院の捜査妨害などを打ち明け、検察捜査情報の与党流出疑惑に対する批判が高まっているにも関わらず、朴大統領はこのような事案がさく烈した時に常に使ってきた "原則的処理" 水準の言及すらしなかった。
その代わり、朴大統領は国会が自らの役割を果たせずにいるとして、野党と政界をひっくるめて責め立てた。 朴大統領は「国政監査で異なる意見を陳述したり発展的提言をするのは当然だ」としつつも「しかし重要なことは、その全てが国民にとって役立たなければならず、経済活性化に役立たなければならない」と強調した。 朴大統領はまた 「今政府と政界がしなければならないことは、企業が投資できる環境を作ることだ。 ところが現在、国会で外国人投資促進法案と不動産市場関連法案など各種の経済活性化法案が通過できずに係留中だ」と批判した。 国家情報院と軍部隊まで乗り出して大統領選挙に介入しようとした綱紀紊乱事件が国政監査の最大争点に浮上しているが、朴大統領は‘国政監査=経済活性化’という不思議な論理を前面に出して、あたかも国会が消耗的な政争を行っているという印象を与えたわけだ。
政界の懸案に対しては対外的に‘沈黙と線引き’で一貫して、これを通じて民生と経済活性化に‘没頭’している大統領を政界と対比させようとする、このような大統領府の戦略は去る8月キム・ギチュン室長をはじめとする‘2期参謀陣’らが入った後にさらに強化される様相を見せている。 先月チェ・ドンウク前検察総長に対する監察指示などで‘刷り出し’論難がふくらんだ直後にも今回と似た状況があった。 朴大統領は当時も閣僚会議を通じて野党の妨害で民生法案が通過できずにいるという点を強調して「野党が場外闘争に固執するならば国民的抵抗に直面するだろう」とし野党に向けて刃を研いだことがある。
大統領府は内部的に朴大統領の沈黙に対して‘進行中の事件には介入しない’と説明している。
大統領府関係者は「大統領が国家情報院事件などに言及したとしても変わることがなく、言及すれば野党はまた‘捜査指針’を与えたと批判することが明らかだ」と話した。 当分、国会で攻防が続く事案に対して大統領府までが足を漬けて賭けを大きくする必要はないという判断も基礎にあるようだ。
ただし、与党や大統領府の一部参謀の間では‘むやみに放置すれば事態を悪化させかねない’という憂慮の声も出てきている。 現政権が任命したナム・ジェジュン国家情報院長とファン・ギョアン法務部長官などに対する責任論も侮れないためだ。 しかも野党に対して強硬対応のみで一貫して、結局は国政跛行が長期化すれば、その責任論はそっくり大統領府へ向かう可能性が大きい。
ソク・ジンファン記者 soulfat@hani.co.kr