独裁と親日を美化して批判を受けている教学社の韓国史教科書の著者らが他の国史教科書をまたも“左偏向”と決め付け、“抗日-親日”の区分は北を美化するためのものという主張まで出してきた。 約500の市民社会団体はこの教科書の検定取り消しを要求した。
5日午後、教学社の教科書著者が会長を務める韓国現代史学会は、韓半島先進化財団と共に既存の教科書を攻撃して教学社版教科書を擁護するセミナーを大韓商工会議所で開いた。 教学社版教科書の著者であるクォン・ヒヨン韓国現代史学会初代会長(韓国学中央研究院教授)は「ヨ・ウニョンを共産主義者ではなく社会民主主義者であるかのように描くそのような形のフィクション(虚構)が、現行の国史教科書を通じて広まっている。 左偏向教科書は深刻な問題をもっており、青少年に歪曲された認識を植え付けている。 このような教科書が直されずには、イ・ソクキ議員のような事態が再び繰り返されないとは言えない」と話した。
歴史学界が親日と抗日人士を分けること自体が北を美化するためのものという主張まで出てきた。 チョ・ヨンギ高麗(コリョ)大北韓学科教授は「左派は北の時代錯誤的全体主義を美化するために親日と抗日の二分法を使った。 民族問題研究所が発刊した『親日人名辞典』は自虐史観の代表的な事例だ」と話した。
<親日独裁美化と教科書改悪を阻止する歴史正義実践連帯>と<アジアの平和と歴史教育連帯>が5日午前、ソウル光化門(クァンファムン)広場で記者会見を行ない、「憲法精神を蹂躪する教学社版教科書の検定承認取り消し」を要求している。 カン・チャングァン記者
これに対しパク・ハンヨン民族問題研究所研究室長は<ハンギョレ>との電話インタビューで「すでに政府と裁判所で親日人士を親日派と規定しているのに、親日という区分自体を否定する人々が大韓民国の人なのか疑わしい」と反論した。
この日午前、韓国挺身隊問題対策協議会・全国教職員労働組合・真の教育のための全国父母会など464団体が参加した歴史正義実践連帯と34団体からなるアシアの平和と歴史教育連帯は、ソウル光化門(クァンファムン)の李舜臣(イ・スンシン)銅像前で記者会見を行ない、「憲法精神を否定する教学社版教科書の検定承認を取り消せ」と要求した。
ハン・サングォン<歴史正義実践連帯>常任代表は「親日勢力を排撃した大韓民国臨時政府の法統と李承晩(イ・スンマン)の独裁に抵抗した4・19革命の理念を継承した憲法精神を否定する教学社版教科書の検定合格は取り消されるべきだ」と話した。
教師と父母団体も批判の声をあげた。 パク・ポミ<真の教育のための全国父母会>会長は「父母の世代である私たちは日本の圧制に抵抗し李承晩独裁と戦った歴史を見ながら自負心を感じてきた。 だが私達の子供たちは“李承晩偉人伝”と呼んでもいいような教科書で勉強して、果たして正しい精神が育つだろうか」と指摘した。 キム・ジョンフン全教組委員長は「8種類の教科書の近現代史の部分を専攻者が1人しかいない国史編纂委員会検定審議委員会が検証して、我が国の教科書でなく日本の教科書同様の教科書を通過させてしまった」と批判した。
キム・ジフン記者 watchdog@hani.co.kr