日本政府、凍土壁 来年完工など発表
"新しい対策なく…オリンピック誘致用" 非難
日本政府が福島第1原発の汚染水問題を解決するため国費320億円を投じて原子力発電所に地下水が流入するのを遮断する‘凍土壁’(冷却材が流れるパイプを地中に入れて土を凍らせて作った壁)を来年中に完工することにした。また、汚染水浄化装置を改良する事業に国費150億円を投じるという内容等を含む汚染水対策基本方針を3日発表した。 しかし対策に新しい内容が殆どなく、7日の2020年夏季オリンピック開催地選定を控えて国際社会に日本の汚染水対策を宣伝することに重点を置いたものという指摘が出ている。
日本政府はこの日午前、原子力災害対策本部と原子力防災会議の合同会議を開いて、全額国費を投じて凍土壁を建設することにし、まず今年度予算の予備費から210億円を使うことにした。 原子力発電所1~4号機を囲む総延長1400mほどの凍土壁を今年中に着工することにした。 日本政府と福島第1原発の運営会社である東京電力は、当初凍土壁を2015年夏までに完工する計画だった。 だが、原子力発電所汚染水の増加と流出問題が深刻化するや国費を投じて工事を操り上げることにしたのだ。 凍土壁が完工すれば、原子力発電所地下に流れ込み放射能汚染水になる地下水の量が現在の一日400tから60tに減ると東京電力は期待している。
日本政府は原子力発電所汚染水から放射性物質を取り除く装置(ALPS)の改良型を国費を投じて新設することにした。 現在、福島第1原発にある浄化装置は故障を起こして7月から稼動が中断されている。
日本政府は原子力災害対策本部の傘下に汚染水問題関連閣僚会議を設置して、関連部署の‘廃炉・汚染水対策現地事務所’を福島原子力発電所近隣に設置することにするなど、政府が積極的に取り組む体制を整えることにした。 この他に海洋汚染の拡散強度を正確に知らせるモニタリングも強化すると明らかにした。
安倍総理は「汚染水問題は東京電力にまかせずに政府が前面に出て解決する。 後の祭り的な処方ではなく、根本的な解決のための基本方針を定めた」と話した。 しかし<毎日新聞>は「発表された対策がすでにすべて出てきていたものだ。 2020年夏季オリンピック東京誘致を意識した対外宣伝用に発表する姿だ」と皮肉った。 <朝日新聞>は「凍土壁は原子力発電所のような巨大施設で長期間にわたり運用してみた実績がなく、実効性に疑問がある」と指摘した。
三重水素が入っている汚染水を海に捨て、汚染水タンクを設置する空間を確保しようという指摘が原子力関連学界などから出ている中で、日本政府はこれに対しては何も言及しなかった。 日本原子力学会事故調査委員会は2日、報告書で「三重水素が入っている汚染水をきわめて希薄にさせてから海に捨てるのが良い」と主張した。 東京電力は原子力発電所の高濃度汚染水からセシウムなどを吸着して除いているものの、水とほとんど同じ三重水素は技術的に取り除くのが難しい。 学界では三重水素が水のような性質を持っており、生物により濃縮されないので大きな害がないと主張しているが、福島漁民は汚染水を大量に海に捨てれば福島産水産物のイメージが悪くなるとして強く反対している。
一方、福島県住民たちは原子力発電所汚染水流出事故と関連して、東京電力関係者らと法人を刑事告発することにした。 <東京新聞>報道を見れば、‘福島原子力発電所告訴団’は原子力発電所内汚染水貯蔵タンクなどに対する東京電力の管理不良が汚染水の大量流出事態につながったとし、広瀬直己 東京電力社長など幹部30人と東京電力法人を‘公害犯罪処罰法’違反の疑いで県警察に告発する予定だ。
東京/チョン・ナムグ特派員 jeje@hani.co.kr