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「日帝が韓国人の生活習慣を改善」 教科書の随所に‘植民地近代化論’

登録:2013-09-03 15:49 修正:2014-09-05 13:13
‘ニューライト教科書’何が問題なのか
教学社の‘韓国史高校教科書’

呂運亨(ヨ・ウニョン)・金九(キム・グ)など‘理想論者’と蔑視し
李承晩(イ・スンマン)の単独政府主張を称賛
‘パルゲンイ(訳注:アカ)’という用語も直接使用して叙述
北韓軍による民間人虐殺だけを浮き彫り

 野党国会議員15人が2日、教学社版韓国史教科書の検定取消を要求したのは、この教科書の親日・独裁美化など歴史わい曲が度を越したという判断のためだ。

 教学社版の著者は、親日派の親日行跡は扱わず、彼らの企業活動を独立運動であるかのように扱った。 教学社版の著者は「韓国人商工業者、は経済的自立こそが独立を成し遂げられる道だと感じ、民族経済の発展のために努力した。 その結果、大規模民族資本が投資された京城紡織株式会社や和信百貨店は(中略)日本企業と十分に競争できた」と書いた。 だが、1949年、反民族行為特別調査委員会は和信百貨店会長パク・フンシクを第1号親日派として逮捕し、2012年ソウル高裁はキム・ヨンス京城紡織創業者を親日行為者と認定した。 パク・ハンヨン民族問題研究所研究室長は 「臨時政府独立資金を拠出し日帝に拘束され、日帝の拷問で亡くなった安熙濟(アン・ヒジェ)白山(ペクサン)商会設立者のような方を言うべき題目で悪質親日分子を独立活動家に変身させた」と指摘した。

 日帝による植民統治期間に近代化を成し遂げたという‘植民地近代化論’の論理も教科書の随所から見つかる。 該当教科書は "日帝強制占領期間に韓国人は時間使用の合理化と生活習慣の改善を日帝から強要された。 (中略)日帝の植民地支配が続くにつれ近代的時間観念は韓国人に次第に受容されていった" と叙述した。 ユ・ギホン民主党議員(教育科学委野党幹事)は「‘時間観念のない韓国人に時間の重要性を悟らせた有難い日本人’という典型的な植民地近代化論の観点が溶けている」と話した。

 教学社版の著者は、李承晩大統領を褒め称えることには紙面を惜しまなかった。 李承晩大統領が韓国単独政府樹立を主張して南北分断を既定事実化した‘井邑(チョンウプ)発言’を探求活動で扱いながら "国際情勢と米国の動向をよく把握していた李承晩が、単独政府樹立を主張した理由を考えてみよう" として友好的な答えを誘導した。 更に付け加えて李承晩の単独政府論を金奎植(キム・ギュシク)、呂運亨(ヨ・ウニョン)の左右合作7原則、金九(キム・グ)の‘統一政府論’と共に提示し "政治的判断には理想的なものと現実的なものがある。 (この中で)理想的なものと現実的なものの内、どちらが目立つかを確認できる" という助言を書いた。 統一政府を建てようという金奎植・呂運亨・金九の主張を‘現実性のない理想論’と蔑視したのだ。 他の探求活動としては "臨時政府大統領を務めた李承晩は国際情勢の判断で驚くべき卓越さを見せた" という右翼要人の著書内容が引用された。

 また、該当教科書は韓国戦争当時に北韓軍による民間人虐殺を叙述して "北韓軍の侵入で数十万人が虐殺、失踪、拉致、負傷した。 町内ゴロツキであった‘パルゲンイ(訳注:アカ)の下っ端’が常日頃抱いていた社会的不満を暴力で行使したりもした" として‘パルゲンイ’という用語を引用ではなく直接使う形態で叙述した。 北韓共匪イ・スンボク君殺害事件は 「共産党が嫌いです。 幼い抵抗 口が裂けた" というタイトルで報道する<朝鮮日報>記事とともに朴正熙軍事政権の10月維新を説明する部分に配置した。 イ・スンボク君事件を扱ったのは教学社だけだった。 反面、老斤里(ノグルリ)良民虐殺事件など米軍の爆撃や国軍による民間人虐殺については詳しく言及しなかった。 キム・ジフン記者 watchdog@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/601835.html 韓国語原文入力:2013/09/03 11:05
訳J.S(1691字)

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