最近の集中豪雨で京畿道(キョンギド)驪州郡(ヨジュグン)南漢江(ナムハンガン)支流にかかる橋の橋脚が流失し、路面が曲がり道路の通行が25日で2日間にわたり禁止されている。 南漢江の合流地点から300m程上流にある橋が崩壊の危機に立たされ、4大河川事業で南漢江本流を大規模浚渫したために発生した‘逆行侵食’のせいという指摘が出ている。
この日午前、驪州郡、金沙面、箭北(チョンブク)里の龍潭川にかかる長さ55m、幅6.5mの箭北橋は橋脚3本中の2本だけで危なっかしく床板を支えていた。 去る22~23日、驪州地域に391㎜の豪雨が降り注ぎ、橋脚1本が流されたためだ。 23日午前11時頃、重量に耐えられず床板が曲がると橋が結んでいる地方道88号線の通行が全面遮断された。
現場を調べたパク・チャングン関東(クァンドン)大教授(土木工学)は「人工衛星写真と住民の証言などから検証した結果、4大河川事業以前には箭北橋下流地点の南漢江には白砂浜が幅広く発達していた。 しかしこれを浚渫し、川の堤防に自転車道路を作ったせいで南漢江本流の水底が低くなり、逆行侵食が起きたと見られる」と話した。 彼は橋脚の下部周辺が1.5mほど削られている点も逆行侵食を裏付けていると分析した。 龍潭川が南漢江に流れ込む地点から上流側5kmぐらいに梨浦堰が建設されている。
通常、河川の侵食作用は上流から下流側に徐々に起きるが、川の本流の浚渫で本流と支流の落差が大きくなれば、下流から上流側に侵食が広がる逆行侵食が現れる。
箭北橋周辺には直径1mを越える大きな岩とコンクリート塊が数十個余りも流れてきて積まれており、集中豪雨当時の水流の強さをうかがわせた。 現場に出てきた住民たちは「これまではどんなに雨がたくさん降っても、こうしたことはなかった。 4大河川事業のためかを確かめてみなければならない」と話した。
パク教授ら‘4大河川事業国民検証団’は梅雨が終わる来月初めに箭北橋をはじめ4大河川支流の逆行侵食実態を本格調査する計画だ。
キム・チョンフェ ソウル地方国土管理庁河川工事課長は「箭北橋は50年に一度ある頻度の洪水に耐えられるように建設されたが、今回の豪雨は70年に一度ある頻度の集中豪雨であり、軟弱地盤に橋脚を建てたために流失事故が起きた」と話した。 彼は「箭北橋周辺は八堂(パルタン)上水源管理区域なので浚渫は全くしていない」として、4大河川工事とは関係がないと主張した。
これに対しイ・ハンジン驪州環境運動連合執行委員長は「当時の航空写真と村民たちの陳述から見る時、箭北橋周辺の龍潭川と南漢江本流を浚渫したことは明白だ」として、当時 南漢江本流とそれに続く龍潭川の川底工事現場写真を証拠として提示した。
南漢江で4大河川工事が真っ最中だった2010年9月21日にも集中豪雨で南漢江合流地点から400mほど離れた驪州郡、驪州邑(ヨジュウプ)新津里(シンジンリ)の淵陽川(ヨンヤンチョン)にかかる新津橋の橋脚が流失した。 この事故も‘逆行侵食’の影響で橋脚付近の地盤が弱くなったためという指摘が出た。
驪州(ヨジュ)/キム・キソン記者 player009@hani.co.kr