強攻を続ければチェ総長体制に負担
ファン法務の嫌がらせで令状 実効性喪失
"選挙法違反者 公平性 失った" 批判
大統領選挙結果 正当性論議 不可避
検察が11日、公職選挙法違反容疑も適用してウォン・セフン(62)前国家情報院長を起訴することに決め、情報機関による選挙介入を断罪するという意志を明らかにした。 検察は、ウォン前院長が昨年の大統領選挙に影響を及ぼす意図を持って国家情報院長の地位を利用して選挙に介入した事実が認められると判断して、5月末頃から公職選挙法違反容疑を適用しなければならないと判断した。 これに対してファン・ギョアン法務部長官が‘選挙法適用不可’という意向を明らかにしたが、捜査チームは意を曲げなかった。
国家情報院による大統領選挙世論操作および政治介入疑惑の核心は、ウォン前院長が昨年の大統領選挙を控えて特定候補が当選するようにしたり、または当選しないようにする目的で、国家情報院職員を動員したか否かであった。 検察は捜査初期からウォン前院長の選挙法違反容疑の立証に焦点を合わせて捜査を進めた。 公務員の選挙介入を厳格に禁止している公職選挙法の趣旨から見る時、可罰性が高いと見たためだ。 特に国家情報院長が自身の地位を利用して選挙に介入したとすれば、事実上官権選挙に他ならない形だと検察は判断した。
検察は国家情報院の旧心理情報局職員が活動したインターネット サイト15ヶ所を全方向から追跡し、掲示文・コメント 1万件余りを捜し出し、朴槿恵(パク・クネ)・文在寅(ムン・ジェイン)候補などに関連した文を数百件確認した。 これと共に‘院長様指示・強調お言葉’資料などを国家情報院押収捜索を通じて確保し、心理情報局職員が上げた文等とウォン前院長の指示の間の関連性を検証してきた。 このような過程を通じて検察はウォン前院長に選挙法違反容疑を適用できると見た。
これに伴い、去る大統領選挙結果に対する正当性論難も一部避けられなくなった。 国家情報院の不法活動が大統領選挙結果にどの程度の影響を及ぼしたかを計量する事はできないが、国家情報院職員が書いた特定候補に対して支持 または反対する趣旨の文等が不特定多数のネチズンに影響を及ぼした可能性を排除できないためだ。
だが、検察はウォン前院長の疑いが重大だと見ながらも、拘束令状は請求しなかった。 公職選挙法は公務員が地位を利用した選挙運動の場合、5年以下の懲役刑に処するよう規定している。 懲役刑だけがあるということだ。 国家情報院職員が政治関与をした時は、5年以下の懲役と5年以下の資格停止に処するように定められている。
また、検察の不拘束起訴方針は選挙法違反者を厳罰する慣例からも外れている。 検察関係者は「国家情報院法違反容疑だけでは令状請求基準に該当しないだろうが、選挙法違反容疑を適用すれば、内部拘束令状請求マニュアルにより拘束捜査することが相当だ」と話した。 別の検察関係者は 「選挙介入疑惑を受ける国家情報院長の拘束令状を請求しないならば、今後どんな選挙法違反者を拘束捜査できるだろうか」と話した。
これはファン・ギョアン法務部長官が時間が引き伸ばして検察の令状請求を無意味にさせたせいでもある。 ソウル中央地検特別捜査チーム(チーム長 ユン・ソギョル)は選挙法公訴時効満了(6月19日)等、捜査日程を考慮して先月27日頃にウォン前院長の拘束令状請求意見をファン長官に報告した。 しかしファン長官は法理検討を理由に2週間以上にわたり時間を引き伸ばし、拘束の実効性を事実上なくした。
検察ではウォン前院長に選挙法違反容疑を適用し、拘束令状を請求する方案も一緒に押しつければ、法務部長官が捜査指揮権を発動しかねないという負担も作用した側面があるように見える。 チェ・ドンウク検察総長就任後、検察改革を強く追い詰めている状況で検察組織が動揺しかねないためだ。 キム・ジョンピル記者 fermata@hani.co.kr