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"患者9人で毎月5百万ウォンの稼ぎ" …金儲けの道具にされた療養施設

登録:2013-04-21 20:44 修正:2013-04-22 07:48
医療関係者や福祉士でなくとも
建物さえあれば誰でも療養施設を作ることができ
アパートの付設商店街に3ヶ所 密集も
58人 療養院‘月純益’ 3千万ウォン
‘黄金の卵を産むガチョウ’になってしまった

 ‘広い庭園でのんびりと車椅子に乗って過し、風景を鑑賞しながらやさしい看護師の保護の中で安らかに息をひきとる所’

 一般の人たちが思い描く老人療養施設の姿だ。 だが、現実は全く違う。 ひとまず記者がボランティアをした療養院は閑静な田園ではなく、進学塾・食堂・美容室・カフェなどが密集したアパート団地前の店舗にある。 さらに同じ建物にそれぞれ名前の違う療養院3ヶ所が運営中だ。 近隣の2つの店舗にも療養院が1ヶ所ずつある。 アパート団地前だけで概略5,6ヶの療養院があるわけだ。 文字どおり雨後の筍の乱立ぶりだ。 2008年長期療養制度が初めて施行された時、1700ヶであった療養施設が2012年には4326ヶに増えたことだけを見ても知ることが出来る。

 人間の安らかな老後と尊厳ある死の責任を負わなければならない療養施設が乱立する理由は、大きく2種類だ。 設立がとても容易で、金儲けになるためだ。 現在、老人長期療養保護法で定めた一定基準さえ満たせば誰でも市・郡・区庁から老人長期療養施設の指定を受けることができる。 問題は指定条件に建築に関連した項目があるだけで、周辺環境に関する部分は抜けているということだ。 一つの建物内に療養院が3ヶずつ入っても防げないのはそのためだ。 記者が取材した療養院がある市の管轄内だけで90ヶの施設が運営中だ。 該当市庁老人福祉担当者は「ここが首都圏とも近く、相対的に地価が安いので療養院がたくさんできているようだ。 今の法では1ヶ所にいくつ施設が入っても防ぐことはできない」と話した。 実際、保健福祉部統計を見ても2011年ソウルに443ヶの老人療養施設があるが、京畿道(キョンギド)には3倍近い1174ヶが運営中だ。 人口ではなく地価などの立地的考慮が作用していることの傍証だ。

 患者を世話しなければならない医療福祉事業なのに、設立者が医療関係者や社会福祉士ではなくとも療養保護院を作れるとしている規定も乱立を助長している。 看護師や社会福祉士を施設長に座らせさえすれば良い。 記者が取材した療養院も院長の下に若い施設長を別に雇用していた。 簡単に言えば、建物さえあれば誰でも療養施設を作れるという話だ。

 それでは療養施設はどれくらいの事業性があるのだろうか? 療養施設が法的に受け取れる金は国民健康保険公団から受け取る保険給付と保険外給付だ。 保険給付は国家と地方自治体が同公団を経て80%を負担する。 保険外給付は普通食費とおやつ費で、月に30万ウォン余程度を患者個人が負担する。 療養級数により差があるが、普通は患者1人当り月に約150~200万ウォン余りの金が施設に入る。

 匿名を要請した療養業界関係者は「患者9人基準で職員給与など運営費を差し引いても1ヶ月に500万ウォン程度が施設代表の手に落ちる」と話した。 この言葉通りならば、58人の患者が生活するこの療養院の場合、見当で毎月3000万ウォン以上を稼いでいるとの推定が可能だ。 療養施設が設立も容易で、金も儲けやすい‘黄金の卵を産むガチョウ’になってしまったということだ。 イ・ジョングク記者 jglee@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/rights/583876.html 韓国語原文入力:2013/04/21 20:15
訳J.S(1538字)

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