合同参謀本部が6日、北韓最高司令部声明に対する立場を発表し「その指揮勢力まで応懲するだろう」と明らかにしたことは、種々の敏感で複雑な問題を伴う。 ‘指揮勢力’の範囲をどこまでに設定するかにより南北の制限的軍事衝突が全面戦争に拡大する可能性があるためだ。 ‘挑発指揮勢力報復論’が朴槿恵(パク・クネ)大統領の裁可の下に出てきたという点も尋常でない。
‘原点、支援勢力、指揮勢力 応懲’を明らかにした人物は、合同参謀のキム・ヨンヒョン作戦部長(陸軍少将)だった。 合同参謀の作戦部長が直接記者会見に出てくるのはまれなことだ。 前日北韓のキム・ヨンチョル偵察総局長(大将)が朝鮮人民軍最高司令部の強硬な声明を発表したことに対する応酬と見える。
合同参謀が挙論した‘挑発原点’は韓国を攻撃する部隊の人員と装備を称する概念だ。 ‘支援勢力’は弾薬や燃料などを支援する支援部隊を言うと合同参謀関係者は説明した。 挑発原点と支援勢力に対する打撃は軍で以前にも出てきた発言だ。
合同参謀が「指揮勢力まで応懲するだろう」と話したことは種々の側面で論難が提起される素地がある。 合同参謀関係者は 「軍事的挑発の場合、その形態が多様であり指揮勢力を特定できない。 その状況に合わせて対応する」と明らかにした。 指揮勢力の範囲を特定せずに曖昧なまま残すことにより、北韓に対する威嚇の効果を高めようとする意図と解説される。 しかし国防部関係者は 「延坪島(ヨンピョンド)砲撃の場合ならば、その一帯に責任を負っている朝鮮人民軍4軍団司令部まで攻撃できるという話」と説明した。 指揮勢力の範囲を直接的な軍事作戦に対する指揮部に限定してみるという話だ。 国防部の説明は北韓の挑発に対する報復が平壌の最高司令部まで向かいはしないという意味と解釈される。 制限的報復ということだ。
国防部は2012年4月北韓の長距離ロケット発射直後に最新巡航・弾道ミサイルを公開し「平壌の金正恩の執務室の窓まで正確に打撃できる」と明らかにし論難を起こした。 また、先月北韓核実験の直後にも、最新の艦対地・潜対地ミサイルを公開し「北韓指揮部の窓を選んで打撃できる」と説明した。 キム・ヨンヒョン作戦部長が「これを実行するためのすべての準備をしている」としたのが‘執務室・指揮部精密打撃能力’を意味するかどうかは確実でない。
北韓の挑発に対する‘指揮勢力報復’が平壌の最高司令部には向けられないとしても論難は残る。 軍事的攻撃を受けた時、攻撃部隊と支援部隊を越えて指揮本部まで攻撃するのは‘戦争拡大’になりうるためだ。 2010年11月の延坪島砲撃当時、李明博大統領と軍指揮部が戦闘機を動員した爆撃を考えたがあきらめたのも、まさに‘戦争拡大’のリスクのためだ。
合同参謀のある関係者は「指揮勢力まで応懲することが戦争拡大か否かは実際の状況を見て判断しなければならない。 北韓がどんな攻撃をしてくるかに掛かっている」と明らかにした。 キム・ジョンデ<ディフェンス21プラス>編集長は 「指揮勢力を応懲するには、戦闘機爆撃と駆逐艦艦砲射撃をしなければならない。 それは戦争拡大であり全面戦争に拡大する危険性がある。 UN司令部が規定した停戦時交戦規則にも違反することだ」と指摘した。 キム編集長は「軍事的報復だけでなく、非軍事的解決方案まで含めた総合的対策が出てこなければならない」と話した。
合同参謀はこの日昼12時から警戒態勢を一段階強化したが、対北韓情報監視態勢である‘ウォチコン’はまだ3段階を維持していると明らかにした。 合同参謀関係者は「韓・米連合監視資産を増強運営し陸海空軍の武器体系待機水準も引き上げた。 指揮官は1時間以内に部隊に復帰できるよう待機している」と明らかにした。
キム・キュウォン記者 che@hani.co.kr