盧武鉉前大統領が巨額の借名口座が発見されるや自ら命を絶ったと発言して波紋を起こしたチョ・ヒョノ(58)前警察庁長が法廷拘束された。 高位公職者の無責任な言動に対して裁判所が厳重に責任を問うたわけだ。
ソウル中央地裁刑事12単独イ・ソンホ判事は20日、盧前大統領の名誉を傷つけた容疑(死者名誉毀損)で不拘束起訴されたチョ前庁長に懲役10ヶ月を宣告し法廷拘束した。
チョ前庁長はソウル地方警察庁長官として在職した2010年3月、警察機動隊指揮官460人余りを相手にした講演で、2009年5月盧前大統領の自殺理由について「どうして飛び降りましたか? 飛び降りるすぐ前日にこの口座が発見されませんでしたか。 10万ウォンの小切手が入った巨額の借名口座が…」と話した。 また 「クォン・ヤンスク女史が(それを隠そうとして)民主党に話し特検できないようにした」と話しもした。
この発言はその年の8月に彼が警察庁長官に内定した頃、言論に公開され波紋を起こした。 盧武鉉財団は直ちにチョ前庁長をソウル中央地検に告訴・告発したが、検察は2年余り後である昨年9月にチョ前庁長を不拘束起訴した。
裁判所は盧前大統領に借名口座があるというチョ前庁長の主張は事実ではないと判断した。 イ判事は 「捜査報告書など証拠を総合してみれば、被告人が盧前大統領の借名口座だと指摘した大統領府行政官2人の銀行口座4ヶは残高が数千万ウォン水準であり、取引内訳も行政官の私的な用途が大部分なので、それを盧前大統領の借名口座とは見られない」と明らかにした。
チョ前庁長はその間自身がした発言の具体的な根拠を明らかにせずに「捜査内容をよく知っている信じられる人に聞いた。 講演で話した内容は彼に聞いたそのままだ」と主張してきた。 また、彼は「講演内容が報道された後、同じ年の12月に検察関係者からさらに詳しい話を伝え聞いた」と話し、論難をさらに大きくした。
イ判事は高位公職者としてこのような態度を見せたことは、単純な虚偽事実公表より深刻な問題だと指摘して、20分余りかけて量刑理由を説明しながらチョ前庁長を叱った。 イ判事は「被告人は一個人ではない。 当時ソウル地方警察庁長官として被告人の発言は社会的に重みを持って伝えられざるを得なかった。 被告人の虚偽発言で国民は絶えず気がかりであり、疑いを持つことになり、国論を分裂させた」と話した。 イ判事は続けて「被告人は責任ある地位にあることを忘却して軽率に根拠のない疑いを提起した。 以後にも事件を針小棒大にする無責任な言動を繰り返した。 これは虚偽事実公表よりさらに良くない行為」と指摘した。 イ判事はまた「被告人は宣告に至るまで被害者に直接謝ったこともない。 発言の根拠を明らかにしにくければ、少なくとも被害者に謝って明らかな立場を取ることが望ましい」と話した。
イ判事はチョ前庁長が偶発的に発言したもので、他の前科がないという点を考慮したと明らかにしたが、法廷拘束の例外理由とは認定しなかった。 法廷に出てきたチョ前庁長は重い表情で宣告を聞き、判事が実刑を宣告するや首をうな垂れた。 チョ前庁長はこの日すぐに控訴した。
イ・ギョンミ記者 kmlee@hani.co.kr