原文入力:2012/02/27 23:08(2076字)
←最高検察庁中央捜査部が総選挙を一月余り後に控えて故盧武鉉前大統領の長女ジョンヨン氏の米国アパート買い入れ事件の捜査を再開し、検察による選挙介入論難がおきている。 ソウル、瑞草洞(ソチョドン)最高検察庁前の造形物‘立っている目’に庁舎が映っている。 キム・ジョンヒョ記者 hyopd@hani.co.kr
2年前に終結した‘盧武鉉捜査’、総選挙目前に再開した真意は?
検察‘13億 金入り箱’捜査 論難
アパート売買関連者に流れた資金13億ウォンの出処追跡
検察、資金伝達者を調査… "2009年捜査時に議論されなかった金"
検察が2009年パク・ヨンチャ(67)泰光(テグァン)実業会長に対する捜査当時に提起された故盧武鉉前大統領の娘ジョンヨン氏の米国アパート買い入れ疑惑事件を2年余り後になって再び捜査するとしながら、その背景を巡って論難が起きている。
捜査を受け持った最高検察庁中央捜査部(部長 チェ・ジェギョン)は市民団体からの捜査依頼があり、今回問題になった‘13億ウォン金入り箱’は当時には捜査線上に浮上しなかっただけに、これを確認するための捜査は避けられないという態度だ。 検察はその一方で事件の潜在的爆発性を意識したように、ジョンヨン氏など盧前大統領の家族に対する調査有無については言葉を慎んでいる。 現時点としてはこの資金を受け取った在米不動産業者キョン・某氏に対する捜査に限定しているということだ。
これに先立ち保守団体である国民行動本部は先月中旬、一部言論の報道を根拠に検察に対しこの事件の捜査を依頼した。 続いて13億ウォンの金入り箱を中間で仲介したという在米カジノ マネジャー イ・某氏兄弟が金が入れられた箱を持った写真など関連資料を持ち自主的に出頭し具体的な陳述をしたと知られた。 検察はイ氏兄弟を2回呼び13億ウォンがジョンヨン氏の米国、ニューヨーク ハドソン川辺のアパート購入資金だという陳述を受けたのに続き、金入り箱をキョン氏に送ったという外車輸入商ウン・某氏を逮捕し調査を行った。捜査依頼に続き、速度感をもって調査が進行しているわけだ。
検察のこのような態度は今までとは全く異なる。 検察は‘盧前大統領に巨額の借名口座があった’と発言し死者名誉毀損容疑で2010年8月に告発されたチョ・ヒョノ警察庁長官に対する捜査を現在まで引き延ばしてきた。 チョ庁長を調査しなかった容疑(職務遺棄)で担当検事が告発され、不起訴に対する抗告まで続いたが、検察はチョ庁長に対する直接調査をしないまま1年半を越えて‘知らぬフリ’で一貫した。 チョ庁長発言を捜査してみるならば、すでに‘不幸な事件’として内査終結した盧前大統領事件を再び再開することにならないかというのが検察関係者たちが公然と明らかにした理由だった。
総選挙を1ヶ月余り後に控えて、今になって検察がこの事件の捜査を再開することにしたことに対して、政治的意図を疑う視線が集まるのはこのような脈絡から見れば極めて当然に見える。 総選挙の直前にこのような事件が報道等を通してしばしば言及されることだけでも過去の盧武鉉政府の人々が大挙出馬する総選挙状況に大きな影響を及ぼすのではないかという分析もある。
検察もそのような疑いを意識している模様だ。 最高検察庁関係者は「13億ウォンは(事件捜査において)新たな部分」としつつ「米国でどのように資金が流れたのか、実際にキョン氏に渡ったのか、キョン氏に渡った資金の性格が何なのかなど、現時点ではキョン氏に対する部分に対してのみ調査している」と強調した。 キョン氏の賭博資金である可能性やウン・某氏の為替管理法違反の可能性も挙論している。 検察はその一方で「刃物でダイコンを切るように当時の事件と分離してみる訳には行かず、資金の出処も明らかにしなければならない部分」とし、ジョンヨン氏に対する調査も念頭に置いていることを迂回的に表わした。 検察はまた捜査依頼した内容が、問題の13億ウォンがアパート購入残金だと指摘しており、これを確認しないわけにはいかないと説明している。 現在は過度に熱を上げているという視線が負担になり、ひとまず線を引いておくが事件拡大の可能性は開けておくという意と解説される。
検察捜査が実際にどこまで続くのかを予想することは難しい。 米国永住権者として知られたキョン氏が検察調査に素直に応じるか否かも不透明な状況だ。 検察関係者は「キョン氏を先に調査することができなければ、ジョンヨン氏を呼ぶことは難しいだろう」と話した。今回の事件の捜査結果より当面の政治的波紋に一層注目せざるを得ない理由だ。
キム・ジョンピル記者 fermata@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/521054.html 訳J.S